トヨタ自動車は、電気自動車(EV)戦略を加速させる。2026年までに次世代バッテリーを搭載した新型EVを投入し、航続距離を現行の倍以上となる1000km以上に延ばす計画を明らかにした。これにより、同社はEV市場での競争力を大幅に高める狙いだ。
新型バッテリーの詳細
トヨタは、2026年に投入予定の次世代バッテリーについて、リチウムイオン電池の改良型と、全固体電池の2種類を開発中であると発表した。改良型リチウムイオン電池は、現行のbZ4Xに搭載される電池と比較して、コストを20%削減し、航続距離を50%向上させる。一方、全固体電池は、さらに高性能で、航続距離は1000kmを超える見込みだ。
トヨタのCTOである中嶋裕樹氏は、「全固体電池は、2027年から2028年にかけての実用化を目指しているが、2026年には先行して改良型リチウムイオン電池を搭載したモデルを投入する」と述べた。
販売目標の引き上げ
トヨタは、EVの販売目標も大幅に引き上げた。2030年に世界で350万台のEVを販売するという新たな目標を掲げ、これは以前の目標である200万台から75%増となる。また、2030年までに30車種のEVを投入する計画で、レクサスブランドでは2035年までに全車種をEV化する方針だ。
トヨタの豊田章男社長は、「EVへの移行は、顧客の選択肢を広げるための一つの手段に過ぎない。しかし、市場の需要に応えるため、EVのラインアップを拡充する」とコメントした。
投資計画と生産体制
トヨタは、EV関連への投資を2026年までに5兆円に拡大する計画だ。これは、2021年に発表した2兆円から大幅な増額となる。生産面では、日本を含む世界各地の工場でEV生産ラインを新設し、2030年までに年間350万台の生産能力を確保する。
また、トヨタは、EVのバッテリー生産について、日米中の主要拠点で自社生産を強化する方針。特に、米国ではノースカロライナ州に新たなバッテリー工場を建設し、2025年から生産を開始する予定だ。
競合他社との比較
トヨタのEV戦略は、競合他社と比較しても野心的な内容だ。米テスラは、2022年に約131万台のEVを販売し、2030年までに2000万台の販売目標を掲げる。一方、フォルクスワーゲンは、2030年までにEV販売比率を50%以上に引き上げる計画だ。
トヨタは、これまでハイブリッド車(HV)で先行してきたが、EV分野では出遅れているとの指摘があった。今回の戦略見直しにより、トヨタはEV市場での存在感を高めることができるか、注目される。



