トヨタ自動車は、次世代電気自動車(EV)の心臓部となる全固体電池の量産開始時期を、従来目標の2030年から2027~28年に前倒しする方針を固めた。同社は2023年6月に技術発表会を開き、全固体電池の量産に向けたロードマップを明らかにしていたが、今回さらなる前倒しを決定した。
全固体電池の優位性と目標スペック
全固体電池は、従来のリチウムイオン電池と異なり、電解質が固体であるため、エネルギー密度が高く、急速充電が可能で、発火リスクが低いとされる。トヨタは、全固体電池を搭載したEVの航続距離を約1200km(現行の約2倍)に延ばし、充電時間を10分以内に短縮する目標を掲げている。
同社の関係者は「全固体電池はEVのゲームチェンジャーとなる技術だ。量産化を加速し、競争力を高めたい」と述べている。
量産化の課題とトヨタの戦略
全固体電池の量産化には、コスト低減や製造プロセスの確立など多くの課題がある。トヨタは、2025年までに試作品を完成させ、2027~28年に量産を開始する計画だ。量産は、同社の子会社であるプライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)が担う見込み。
トヨタはまた、2026年に投入予定の次世代EVに、改良型のリチウムイオン電池(バイポーラ型)を搭載することも明らかにしている。全固体電池は、その次の段階として位置づけられている。
業界への影響と今後の展望
トヨタの全固体電池量産前倒しは、EV業界全体に大きな影響を与える可能性がある。競合する日産自動車やホンダも全固体電池の開発を進めており、開発競争が激化しそうだ。
専門家は「トヨタが量産化に成功すれば、EVの普及が加速するだろう。しかし、コスト面での課題は依然として大きく、実用化には時間がかかる可能性もある」と指摘する。
トヨタは、全固体電池の量産化を通じて、EV市場での存在感を高めるとともに、カーボンニュートラルの実現に貢献したい考えだ。



