東洋経済の最新記事(2025年4月)は、世界的なEV(電気自動車)シフトの中で日本メーカーが直面する課題を浮き彫りにしている。特に、中国市場での競争激化やトヨタの戦略転換が焦点となっている。
日本メーカーのEVシフトの遅れ
記事によると、日本メーカーのEV販売台数は世界全体でわずか5%未満にとどまっている。一方、中国メーカーはBYDを筆頭に市場シェアを急拡大させており、2024年には世界のEV販売の60%以上を占めた。この差は、日本メーカーの電動化戦略の遅れを如実に示している。
特に、トヨタは長年ハイブリッド車に注力してきたが、昨年、EV専用プラットフォーム「e-TNGA」を投入し、2026年までに10車種のEVを投入する計画を発表した。しかし、専門家は「トヨタのEVシフトはまだ初期段階であり、競合に追いつくには時間がかかる」と指摘する。
中国市場での競争激化
中国市場では、日本メーカーは販売台数で苦戦している。2024年の中国市場での日本車販売台数は前年比15%減となり、特にEV分野では存在感が薄い。一方、BYDは2024年に世界で300万台以上のEVを販売し、中国市場でのシェアを35%に拡大した。
記事では、日本メーカーの中国事業について「部品調達や生産コストで競争力が低下しており、現地パートナーとの連携強化が急務」と分析している。また、中国政府のEV優遇政策が日本メーカーに不利に働いているとの見方もある。
トヨタの戦略転換と課題
トヨタは2025年、EV専用工場を愛知県に建設する計画を発表した。投資額は約5000億円で、2027年までに年産50万台のEV生産を目指す。しかし、この計画について業界アナリストは「投資規模は十分だが、競合のBYDやテスラに比べるとまだ小規模」と指摘する。
また、トヨタの水素エンジン車へのこだわりも議論を呼んでいる。トヨタの豊田章男会長は「水素も重要な選択肢」と述べているが、水素インフラの整備が進んでいないことが課題だ。
日本メーカーの未来
記事は、日本メーカーが生き残るためには、EVだけでなく、ソフトウェア定義車両(SDV)や自動運転技術への投資が不可欠だと結論づけている。特に、日本メーカーはソフトウェア分野で出遅れており、グーグルやアップルなどのテック企業との競争が激化している。
さらに、日本政府のEV普及目標(2035年までに新車販売の100%を電動車に)に対して、現状の充電インフラ整備が遅れていることも課題だ。記事では「日本メーカーのEVシフトは、単なる技術開発だけでなく、政府の政策や社会インフラとの連携が不可欠」と締めくくっている。



