東洋経済は2025年4月、新たな連載企画「バッテリー覇権戦争」をスタートさせた。電気自動車(EV)市場の急拡大に伴い、バッテリー技術やサプライチェーンの覇権争いが世界的に激化している。同連載では、業界の最前線で繰り広げられる技術革新や企業間競争、各国の政策動向を多角的に分析する。
EV市場の成長とバッテリー需要の高まり
国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、2024年の世界のEV販売台数は前年比約35%増の1700万台に達し、新車販売に占めるEVの割合は20%を超えた。この急成長を支えるのがバッテリーであり、その需要は2023年の約750GWhから2030年には3000GWhを超えると予測されている。バッテリーはEVの価格の約30~40%を占めるため、そのコスト削減と性能向上が業界の競争力を左右する。
技術革新と覇権争いの最前線
現在、バッテリー市場は中国のCATLとBYDが世界シェアの約半分を占める。しかし、日本や韓国、欧米の企業も追随を許さない。特に、全固体電池やリチウム硫黄電池など次世代技術の開発競争が激化しており、2025年にはトヨタが全固体電池の量産開始を予定している。また、リチウムやコバルトといった重要鉱物の調達を巡る地政学的リスクも高まっている。
東洋経済の記者は「バッテリー覇権争いは、単なる技術競争ではなく、国家のエネルギー安全保障や産業政策に直結する重大なテーマです。本連載では、現場の声やデータに基づき、その全貌を明らかにします」とコメントしている。
サプライチェーンの再編と各国の思惑
バッテリー生産において、中国は精製からセル製造まで多くの工程で支配的な地位を占める。これに対抗し、米国はインフレ抑制法(IRA)で北米生産のバッテリーに補助金を付与、欧州連合(EU)も重要原材料法(CRMA)で域内調達を促進する。日本も経済安全保障推進法に基づき、バッテリーのサプライチェーン強化に乗り出している。
こうした動きは、企業の生産拠点戦略にも影響を与えている。例えば、パナソニックエナジーは米国で新工場を建設中であり、韓国のLGエナジーソリューションは欧州での生産能力を拡大している。
今後の展望
バッテリー市場は2030年までに年間約4000億ドル規模に成長すると見込まれ、新たなプレーヤーの参入も相次いでいる。スタートアップ企業によるリサイクル技術やナトリウムイオン電池の開発も注目される。東洋経済の連載は、こうした最新動向を定期的に報じ、読者に深い洞察を提供することを目指している。



