テスラのEV販売台数が初の前年割れ、株価急落で時価総額3兆円超消失
テスラEV販売台数が初の前年割れ、株価急落

米電気自動車(EV)大手テスラの2025年第1四半期(1~3月)の世界販売台数が約38万7000台となり、前年同期比で8.5%減少した。市場予想の約42万台を下回り、四半期ベースで前年割れとなるのは初めて。これを受け、4月2日の米株式市場でテスラ株は一時6%超下落し、時価総額は約200億ドル(約3兆円)超が消失した。

販売台数減少の要因:マスクCEOの政治活動と中国市場の競争激化

販売減少の背景には、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の政治活動への批判や、中国市場での競争激化がある。マスク氏はトランプ前大統領の政権で政府効率化省(DOGE)のトップを務め、物議を醸していた。また、中国では比亜迪(BYD)などの地元メーカーが低価格EVを投入し、テスラの販売を圧迫している。

テスラは中国市場での需要喚起のため、モデル3とモデルYの値下げや、3年間の無償充電サービスを提供している。しかし、中国EV市場全体が拡大する中で、テスラのシェアは減少傾向にある。

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欧州市場でも販売不振、全体の落ち込みを補えず

欧州でもテスラの販売は低迷している。ドイツでは1~2月の販売台数が前年同期比で約70%減少した。欧州全体ではEV補助金の打ち切りや、中国製EVに対する関税引き上げの影響が懸念されている。テスラはベルリン近郊の工場で生産を増強しているが、需要の回復は見通せていない。

米国市場では、テスラは依然としてEV販売で首位を維持しているが、フォードやゼネラル・モーターズ(GM)などの競合が新型EVを投入しており、競争が激化している。

アナリストの見方:さらなる値下げの可能性も

投資銀行ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は「テスラは需要喚起のため、さらなる値下げを実施する可能性がある」と指摘する。また、マスク氏の政治活動がブランドイメージを損ねているとの見方もある。テスラは4月22日に予定されている第1四半期決算で、収益性の低下を明らかにする可能性が高い。

一方、マスク氏は販売減少について「一時的な変動」と述べ、長期的な成長に自信を示している。テスラは2025年に完全自動運転タクシー「サイバーキャブ」の量産開始を計画しており、新たな収益源となる可能性がある。

投資家の反応と今後の展望

販売台数の減少を受け、テスラ株は年初来で約30%下落している。投資家の間では、マスク氏の経営手腕やテスラの成長戦略に対する懸念が広がっている。しかし、一部のアナリストは、値下げによる需要喚起や新モデルの投入で、下半期には販売が回復すると予想している。

テスラは2025年の年間販売目標を約200万台としているが、第1四半期の実績を踏まえると、達成は難しいとの見方が多い。今後の焦点は、中国市場でのシェア回復と、新モデルの市場投入時期となる。

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