ソニー・ホンダモビリティ(東京都港区)は、新たな電気自動車(EV)ブランド「AFEELA(アフィーラ)」の第一弾モデルを2026年に北米市場で発売すると発表した。同社はソニーグループと本田技研工業(ホンダ)の合弁会社で、2022年9月に設立された。今回の発表は、2024年1月にラスベガスで開催されたCES 2024で公開されたプロトタイプの量産化計画を具体化するものだ。
自動運転レベル3を搭載、高速道路で運転主体がシステムに
アフィーラの最大の特徴は、自動運転レベル3(条件付き自動運転)を搭載することである。レベル3では、高速道路などの特定条件下でシステムが全ての運転操作を担当し、ドライバーは緊急時以外は運転から解放される。ソニー・ホンダモビリティの水野泰秀CEOは「アフィーラは、移動そのものをエンターテインメントに変える」と述べ、車内での動画視聴やゲームプレイなど、移動時間の有効活用を提案する。
同社は、ソニーのイメージセンサーやAI技術と、ホンダの車両開発・製造技術を融合。車内外に搭載した45個のセンサー(カメラ、LiDAR、レーダーなど)で周囲を認識し、安全な自動運転を実現する。また、ソニーのエンターテインメント技術を活かし、車内には大型ディスプレイや高品質オーディオシステムを装備。ユーザーは、PlayStationのゲームや映画、音楽などを車内で楽しめる。
価格は1000万円台前半、年間販売台数は非公表
価格帯は約1000万円台前半を想定しており、テスラのモデルS(約1200万円〜)やメルセデス・ベンツのEQS(約1400万円〜)など、プレミアムセダンセグメントでの競争が見込まれる。年間販売台数は明らかにされていないが、水野CEOは「まずは北米でブランドを確立し、その後欧州や日本を含むグローバル展開を目指す」と述べた。
生産はホンダの北米工場で行われる予定で、部品調達やサプライチェーンの構築も進められている。ソニー・ホンダモビリティは、2025年から先行予約の受付を開始し、2026年春に納車を始める計画だ。
EV市場の競争激化、ソニー・ホンダの挑戦
世界のEV市場は、テスラや中国のBYDなどが先行する中、後発組のソニー・ホンダモビリティは、エンターテインメント性と自動運転技術で差別化を図る。特に、ソニーのコンテンツ資産を活用した車内体験は、他社にはない強みとなる。一方で、価格帯の高さや充電インフラの整備状況など、課題も多い。
水野CEOは「我々は自動車メーカーではなく、モビリティテクノロジー企業だ」と強調し、単なるEV販売ではなく、ソフトウェアやサービスを含めた持続的な収益モデルを構築する方針を示した。具体的には、自動運転機能のサブスクリプションや、車内でのデジタルコンテンツ販売などを検討している。
ソニー・ホンダモビリティは、2023年10月に東京モーターショーでプロトタイプを公開し、好評を得た。今回の北米発売計画は、同社にとって初の量産EV投入となり、今後のグローバル展開の成否を占う重要な試金石となる。



