半導体不足でEV生産停滞、2025年まで影響続く可能性
半導体不足でEV生産停滞、25年まで影響か

世界的な半導体不足が電気自動車(EV)の生産に深刻な影響を及ぼしている。主要な自動車メーカーは相次いで減産を発表し、業界団体は2025年まで供給制約が続くとの見通しを示した。この問題は、パンデミック後の需要回復や地政学的リスクによる半導体供給網の混乱に起因する。

減産を余儀なくされる主要メーカー

トヨタ自動車やフォルクスワーゲン、テスラなど、世界の主要EVメーカーは半導体不足により生産ラインの調整を強いられている。トヨタは2024年上半期に複数の工場で一時的な生産停止を実施し、フォルクスワーゲンは特定モデルの生産を最大20%削減すると発表した。テスラも一部の工場でシフト削減を行い、納期遅延が発生している。

日本自動車工業会の調べによると、2024年第1四半期の国内EV生産台数は前年同期比で12%減少した。同会の担当者は「半導体の安定調達が困難であり、状況は深刻だ」と述べている。

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供給制約の長期化と業界への影響

半導体不足は2025年まで続くとの見方が強まっている。国際半導体製造装置協会(SEMI)の報告書によれば、半導体工場の新設や増産には少なくとも2〜3年を要し、需要に追いつくのは2026年以降になる可能性がある。これにより、EVメーカーは生産計画の見直しを余儀なくされ、2024年の世界EV生産台数は当初計画より15%減少する見込みだ。

特に影響が大きいのは、車載用マイコンやパワー半導体などの成熟品だ。これらの半導体は製造装置の老朽化や投資不足が原因で供給が逼迫している。調査会社IHS Markitのアナリストは「EVに搭載される半導体の数は従来車の2倍以上であり、不足がEV生産に直撃している」と指摘する。

自動車メーカーの対応策

各社は半導体不足に対応するため、自社調達の強化や在庫積み増しを進めている。トヨタは半導体の内製化を加速し、主要な車載半導体の自社生産を2025年までに倍増させる計画だ。フォルクスワーゲンは半導体メーカーとの直接契約を拡大し、長期的な供給確保を目指す。

一方、テスラはソフトウェアの最適化により、使用する半導体の種類を減らす戦略を取る。同社のイーロン・マスクCEOは「半導体不足は一時的な問題だが、供給網の多様化が重要だ」と述べている。

政府の支援と今後の展望

各国政府も半導体不足の解消に向けて動き出している。日本政府は半導体工場の新設に対する補助金制度を拡充し、2024年度予算に5000億円を計上した。米国でもCHIPS法に基づく助成金の支給が始まり、台湾や韓国でも半導体産業への投資が加速している。

しかし、半導体不足の根本的な解決には時間がかかる。業界団体は、2025年後半から徐々に供給が改善し、本格的な回復は2026年以降になると予測する。それまでの間、EVメーカーは生産調整を余儀なくされ、消費者への納車遅延や価格上昇が続く可能性がある。

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