半導体不足でEV生産に黄信号、トヨタやテスラに影響拡大
半導体不足でEV生産に黄信号、トヨタやテスラに影響

世界的な半導体不足がEV生産を直撃

世界的な半導体不足が電気自動車(EV)の生産に深刻な影響を及ぼしている。トヨタ自動車や米テスラなど主要メーカーは、2024年初頭から減産を余儀なくされており、業界全体に衝撃が広がっている。この問題は、パンデミック後の需要急増と地政学的リスクによる供給制約が複合的に作用した結果であり、自動車産業のサプライチェーン(供給網)の脆弱性を改めて浮き彫りにした。

トヨタやテスラに影響、減産拡大

トヨタは2024年2月、国内複数の工場でEV向け半導体の調達難を理由に、一部モデルの生産ラインを停止すると発表した。具体的には、愛知県の田原工場と宮城県のセントラル自動車で、bZ4XなどのEV生産を最大2週間停止。これにより、約1万5千台の生産に影響が出る見込みだ。トヨタの広報担当者は「半導体不足は予想以上に長期化しており、生産計画の柔軟な見直しが必要」と述べている。

一方、テスラもカリフォルニア州フリーモント工場で、モデル3とモデルYの生産を一部停止した。同社は2023年第4四半期に過去最高の納車台数を記録したが、2024年第1四半期の生産台数は前期比で約5%減少する見通し。イーロン・マスクCEOは「サプライチェーンの混乱が続けば、成長ペースは鈍化せざるを得ない」と警告する。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

半導体不足の背景と業界への影響

半導体不足の背景には、2020年以降のパンデミックによるデジタル機器需要の急増と、米中対立による半導体輸出規制の影響がある。特に、EVに搭載されるパワー半導体やマイコンは需要が高く、供給が追いついていない。業界団体の調査によると、2024年の世界の自動車生産台数は、半導体不足により当初計画比で最大5%減少する可能性があるという。

この影響は、部品メーカーにも波及している。デンソーは2024年1月期の連結決算で、半導体調達難による生産調整が響き、営業利益が前年比で約8%減少した。同社の林宏之社長は「半導体の安定調達が最大の経営課題だ」とコメントしている。

政府の対応と今後の見通し

日本政府は半導体戦略の強化に乗り出しており、2023年度補正予算で約1.3兆円を半導体関連産業に投じる方針を発表。国内での半導体製造拠点の整備や、台湾積体電路製造(TSMC)との協業を進める。しかし、効果が出るまでには数年かかるとみられ、短期的な生産回復は難しい。

専門家は、半導体不足は2025年以降も断続的に続く可能性があると指摘する。自動車メーカーは、在庫管理の徹底や代替部品の開発など、リスク分散を急ぐ必要がある。EV市場の成長が期待される中、供給網の強靭化が業界全体の課題となっている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ