半導体不足でEV生産停滞、日欧で工場停止相次ぐ
半導体不足でEV生産停滞、日欧で工場停止

世界的な半導体不足の影響が自動車業界、特に電気自動車(EV)の生産に深刻な打撃を与えている。トヨタ自動車は2025年2月、愛知県内の複数の工場でEV向け部品の生産を一時停止すると発表した。対象となるのは「bZ4X」など主要EVモデルで、停止期間は最長で2週間と見込まれる。トヨタの広報担当者は「半導体調達の遅れが原因で、生産計画の見直しを余儀なくされた」と説明している。

欧州でも減産拡大

欧州でも状況は同様だ。フォルクスワーゲン(VW)は2025年1月、ドイツのエムデン工場とツヴィッカウ工場でEV「ID.シリーズ」の生産を最大で30%削減すると発表。VWの幹部は「サプライチェーンの脆弱性が露呈した。特にパワーマネジメント用の半導体が不足している」と述べた。同社は2025年上半期のEV生産台数を当初計画から約15万台減らす見通しで、これは年間生産目標の約10%に相当する。

供給制約は長期化へ

半導体不足は2020年以降続いており、自動車業界は特に車載半導体の供給に苦慮している。調査会社IHSマークイットによると、2025年の世界の自動車生産台数は半導体不足の影響で約400万台減少する見込み。EVに限れば、その約3分の1にあたる130万台が生産できない可能性がある。これは世界のEV需要の約8%に相当する。

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業界団体の日本自動車工業会は「半導体の安定調達には多額の投資が必要で、中小サプライヤーへの負担が懸念される」と指摘。さらに「政府には戦略的な半導体産業支援を求めたい」と要望している。

メーカーの対応と今後の展望

各社は対策に乗り出している。トヨタは半導体在庫の積み増しと、複数サプライヤーからの調達を進める。一方、VWは半導体メーカーとの直接契約を強化し、優先供給を確保しようとしている。しかし、半導体製造装置のリードタイムは長く、新工場の稼働までに数年かかるため、短期的な改善は難しい。

専門家は「半導体不足は2025年後半には緩和に向かう可能性があるが、完全な正常化は2026年以降になる」と見ている。自動車メーカーは在庫管理の徹底や代替部品の開発など、中長期的な対策を迫られている。

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