世界初の本格的な電気推進タンカーが就航
日本郵船は2024年10月、世界初の本格的な電気推進タンカー「あいらんでぃっく」を就航させた。全長約62メートル、総トン数約480トンのこの船は、リチウムイオンバッテリーを搭載し、最大約80キロメートルの航続距離を持つ。主に東京湾内での石油製品輸送に従事し、従来のディーゼル船と比べてCO2排出量を年間約2000トン削減できる見込みだ。
脱炭素社会に向けた取り組み
日本郵船は、2025年までにゼロエミッション船の実用化を目指しており、今回の「あいらんでぃっく」はその第一歩と位置付けている。同社の担当者は「この船の運航データを基に、さらなる効率化と大型化を進めたい」と語る。また、政府の「グリーンイノベーション基金」の支援も受け、水素やアンモニアを燃料とする次世代船の開発も並行して進めている。
業界全体の動き
海上物流の脱炭素化は国際的な課題で、国際海事機関(IMO)は2050年までに温室効果ガス排出量を2008年比で50%削減する目標を掲げている。日本郵船の取り組みは、この目標達成に向けた重要な一歩と評価されている。商船三井や川崎汽船など他の海運大手も、電気推進船や水素燃料船の開発を加速させており、業界全体で競争が激化している。
今後の展望
「あいらんでぃっく」の就航により、日本郵船は海上物流の脱炭素化で先行する。同社は2030年までに、グループ全体のCO2排出量を2019年比で30%削減する目標を掲げており、電気推進船の拡大や次世代燃料の導入で達成を目指す。また、バッテリーのリサイクルや充電インフラの整備など、周辺技術の開発も重要課題となっている。



