日産のコンパクトSUV「キックス」がフルモデルチェンジ。新型は、e-POWERハイブリッドシステムと、4WDモデルには初の電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を採用し、誰にもガマンを強いないドライブ体験を実現したとモータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗レポートで伝えている。
パワートレインと駆動方式の進化
新型キックスには、前輪駆動(FF)と全輪駆動(4WD)の2種類のモデルが設定された。どちらも1.4リッターエンジンを発電用に使うe-POWERシステムを搭載する。新たに、モーター、発電機、インバーター、減速機、増速機の5つの主要部品を一体化したユニットを採用。日産のプレスリリースによれば、小型・軽量化と高剛性化を両立したという。
4WDモデルには、キックスとして初めて「e-4ORCE」が搭載された。これは、モーター駆動による前後輪のトルク配分を緻密に制御する技術で、カーブでの安定性や悪路での走破性を高める。
自然なワンペダルドライブ
日産の開発者は「カーブでもアクセルペダルを踏みながらぐいぐいと回っていける」と語る。実際、4WDモデルのドライバビリティは非常に高い。FFモデルでは駆動トルクがもう少し欲しいと感じる場面があったが、4WDモデルではその不満はない。東京の首都高のカーブでも、積極的なドライブが楽しめたという。
新型キックスは、油圧ブレーキと回生ブレーキを組み合わせた「協調ブレーキ」を採用。アクセルペダルを緩めるだけで強めの減速が可能で、通常の走行なら首都高のカーブ程度ではブレーキペダルを使わずに済む。その感覚は自然で、かつての回生ブレーキのような強い制動ではなく、ごく自然な減速フィールだ。
加速時のモーター介入も同様で、「極力モーターの始動がわからないよう腐心した」と開発者が語る通り、かつてのe-POWER車のようなメリハリ(悪い意味での)はない。あまりに静かなので、強くアクセルを踏み込むと一瞬エンジンが始動するが、それも気にならないレベルだ。
インテリアとデザインのこだわり
インテリアでは、ファブリック系素材を使用した「X」グレードが手触りのよさを追求。前席シートは異素材の組み合わせと2色のステッチ、型押し模様など凝ったデザインで、座り心地も良好だ。両端が盛り上がるボンネットは、イタリアのスポーツカーからインスパイアされたというデザイン要素の一つ。
オススメは17インチホイール装着グレード
試乗した小川氏は、17インチホイールを装着したグレードを推奨。乗り心地とハンドリングのバランスが最も優れているという。新型キックスは、どんな人にもガマンを強いない、バランスの取れたコンパクトSUVに仕上がっている。



