日産自動車の新型「キックス」が受注好調だ。日産によると、7月5日までに受注台数は約7,000台に到達。発売日は2026年6月18日。キックスはどんなクルマなのか、実物に乗ってきた。
コンパクトSUV市場に投入された新型キックス
新型キックスは日本の登録車市場で最も売れている「コンパクトSUV」カテゴリーに属する新型車。日本の販売台数を盛り返したい日産にとって重要なクルマだ。キックスで日産ユーザーになる人が増えれば、そのあとに「エクストレイル」「セレナ」「エルグランド」に乗り換えてくれる長期ファン形成のチャンスも広がる。
ボディサイズは全長4,365mm(先代モデル比+75mm)、全幅1,800mm(+40mm)、全高1,615mm(+10mm)と拡大。新型キックスはパワートレインに「第3世代e-POWER」、駆動方式に「e-4ORCE」を採用している。この組み合わせは、実は新型「エルグランド」と同じだ。エルグランドと比べればかなり小さくてかなり安いクルマなのに、技術面には贅を尽くしている。
燃費性能と走行フィール
第3世代e-POWER採用などの効果により、新型キックスは先代モデルに比べ燃費が11%も向上している。先代キックスの燃費は23km/L、新型は25.7km/L。燃費向上に貢献した要因の内訳はエンジン32%、電動ユニット31%、車両37%とのこと。ライバルのホンダ「ヴェゼル」(のハイブリッド車)と比べても、ほぼ遜色のない性能だ。
実際に乗ってみるとワンペダル感覚(回生ブレーキ強め)の走りはペダルの踏みかえが少なくて乗っていて楽だし、エンジンが始動する頻度は少なく、始動してもそんなにうるさくないので車内は静か。都市部の街中を走るうえで、加速力に不満はなかった。小さくて視界がよく、運転しやすいクルマだ。
内装の質感とe-4ORCEの可視化
内装はドアの内側(トリム)やインパネなど、けっこうな範囲にソフト素材(ファブリックやヴィーガンレザーなど)が使ってあって上質。プラスチックばかりで安っぽい、という印象にはならないはずだ。
日産によると、「e-4ORCE」搭載車両のユーザーからは「どう効いているのかわかりにくい」との声がけっこう届くそう。新型キックスではメーター表示を変更すれば、e-4ORCEの稼働具合がグラフィックで見て取れるようになる。
グレード展開と価格
グレードは大きく分けると「X」と「G」の二択。Gの豪華装備に惹かれたならGで決まりだが、乗った実感としてはXで十分な気がする。日産としても販売の主力はXだと考えているようだ。ただし、Xのシンプルパッケージはエントリー価格を299万円に設定するために装備を簡素化したグレードという意味合いが強いので、買うなら「X」か「X+」がいいと思う。装備表を見て、よくよく吟味してみよう。
新型キックス試乗会に登場した日産のイヴァン・エスピノーサ社長は、キックスの出来栄えにかなり自信がある様子だった。報道向けの新型車試乗会には何度も参加してきたが、社長が登場するのはかなり珍しい。



