日産自動車が投入した新型コンパクトSUV「キックス」は、エンジン始動回数を大幅に低減し、静粛性と乗り心地を両立したモデルだ。WLTC市街地パターンでの走行では、エンジン始動は10分間に1回のみにとどまるという。モータージャーナリストの小川フミオ氏が試乗し、その美点を報告する。
エンジン音はかすか、静粛性にこだわり
試乗中、かすかなエンジン音でエンジンがかかっていることがわかる。エンジンは駆動系から切り離されているため、トルクが増すわけではないが、なかなかよいエンジン音だと小川氏は評価する。日産は「エンジン始動回数がさらに減少」と説明しており、静粛性を重視した開発が行われた。開発エンジニアにとっては「エンジン音がいい」「もっとエンジンを楽しみたい」という声は妄言に等しいかもしれない。
17インチホイールの4WDが乗り心地良好
Xグレード(4WD、e-4ORCEモデル)に装着される17インチアルミホイールは、乗り心地がすばらしい。路面の感触は適度に伝わるが、突き上げはきれいに抑えられている。一方、19インチアルミホイールを履く前輪駆動のGグレードは、低速でゴツゴツ感があり、速度が上がると解消される。ホイール径は17インチが正解のようだ。
どんな人にもガマンを強いない美点
商品企画担当者は「ターゲットカスタマーはファミリー層が一番いいのではないか」と語る。キックスの美点は、どんな人にもガマンを強いないことにある。コアバリューはデザイン、先進技術、ユーティリティの3本柱だ。スタイリングも大きな魅力で、デザイナーは「堅牢で力強いタフさと、キビキビしたアジャイル(俊敏)さの組み合わせがポイント。プロポーションとスタンスのよさを最重要点として考えた」と説明する。
機能的だが機能一辺倒ではないデザイン
ボンネットの両端が盛り上がるデザインは、イタリアのスポーツカーからインスパイアされた。後席は足元だけでなく頭上空間も広く、ユーティリティ面でも優れている。積極的にドライブを楽しめるクルマであり、家族層からシングル層まで幅広いユーザーに受け入れられるだろう。



