日産自動車は、電気自動車(EV)の販売不振を受けて米国工場の生産調整を実施し、約1500人の人員削減を行うと発表した。この措置は、工場の稼働率低下と在庫調整を目的としており、同社のEV戦略に影響を与える可能性がある。
生産調整の背景
日産は米国テネシー州のスマーナ工場などでEV「リーフ」やプラグインハイブリッド車を生産しているが、需要の鈍化により在庫が積み上がっていた。同社は2023年度のEV販売台数が前年比で約15%減少したと報告している。これを受け、工場の生産ラインを一部停止し、シフト数を削減する方針を固めた。
日産の広報担当者は「市場環境の変化に対応するため、生産計画を見直す必要がある」とコメントしている。人員削減は主に一時的な契約社員が対象で、正社員への影響は限定的とされる。
業績への影響
日産は2023年度の連結売上高が前年比で約5%減の10兆円程度になる見通しを示しており、EV販売の不振が業績を圧迫している。特に米国市場では、テスラや中国メーカーとの競争激化により、日産のEVシェアは低下傾向にある。同社は2026年度までにEV販売比率を40%に引き上げる目標を掲げているが、今回の生産調整はその達成に疑問を投げかけている。
アナリストからは「日産のEV戦略は遅れている。競争力のあるモデル投入が必要」との指摘が出ている。日産は2025年に新型EVを投入する計画だが、それまでの間の販売低迷が懸念される。
今後の展望
日産はこの生産調整により、年間約5万台分の生産能力を削減する見込みだ。同社はコスト削減と効率化を進め、2025年度までに固定費を20%削減する目標を掲げている。また、バッテリー調達の見直しや、アライアンスパートナーとの協業強化も検討している。
一方、米国政府のEV補助金制度「インフレ抑制法」の適用条件が厳格化されたことも、日産を含む外国メーカーにとって逆風となっている。日産は米国でのバッテリー生産拠点を設けることで対応を図るが、実現には時間を要する。



