マツダCO2回収技術、富士24時間で実証「走るほどクリーン」に
マツダCO2回収技術、富士24時間で実証

マツダは、2026年6月に開催された富士24時間レースにおいて、走行中に二酸化炭素(CO2)を回収する技術の実証実験を行った。同社はこれを「走るほどクリーン」なカーボンネガティブ技術と位置づけ、レース車両に搭載したシステムでCO2の吸着から脱離、貯蔵までを実証した。

CO2回収の「Step1.5」、レースで実証

マツダはこれまで、排ガスからCO2を吸着する機能のみの技術を「Step1」と定義。今回の富士24時間レースでは、CO2吸着に加えてCO2の脱離と貯蔵を行う「Step1.5」の実証を行った。レース中、車両のボディサイドには、排ガスから吸着したCO2量の増加に伴ってグリーンライトの面積が大きくなる視覚的な表示が設けられ、CO2回収が着実に行われていることをアピールした。

多孔鉱物「ゼオライト」を用いたシステムの仕組み

システムの核心は、多孔質の鉱物であるゼオライトをCO2吸着剤として使用することにある。具体的な流れは以下の通り。

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  • エンジンの排ガスを、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)通過後、メインの排気管から一部バイパスさせる。バイパス量はメイン流量の約3〜5%。
  • バイパスした排ガス(約700℃)を冷却する。冷却はメインラジエーターとサブラジエーターの2段階で行い、ゼオライトが効果的にCO2を吸着できる常温付近まで下げる。
  • 冷却後、気液分離器と除湿タンクを経て、CO2吸着器へ。吸着器は熱交換器ベースで、フィン形状の部分にゼオライト13Xを塗布している。
  • CO2吸着器には外気を送り込み、ゼオライトの吸着効果を高める。一方、CO2脱離時には加熱用の排ガスを送り、150℃に昇温する。

これらの工程は「予冷工程(150℃→常温)」「CO2吸着工程」「CO2脱離工程」「CO2掃気工程(CO2タンクへの掃気)」の4サイクルで構成される。

ピット作業で交換可能なCO2タンク

実証システムでは、脱離したCO2を車載のタンクに貯蔵。タンクはピット作業で簡単に交換できる設計となっており、レース中の継続的なCO2回収を可能にした。マツダは今後、回収したCO2を燃料や化学品の原料として活用する構想も描いている。

マツダの取り組みは、エンジン車のカーボンニュートラルを超えたカーボンネガティブ実現への一歩として注目される。同社は「2030年までにこの技術を実用化し、走行中のCO2回収量を排出量以上にする」ことを目標に掲げている。

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