EVバッテリーのリサイクル技術、日本企業が欧州で実用化へ
EVバッテリーリサイクル、日本企業が欧州実用化へ

電気自動車(EV)の普及に伴い、使用済みバッテリーのリサイクル技術が世界的な課題となる中、日本のスタートアップ企業が開発した革新的なリサイクル技術が、欧州で初めて実用化される見通しとなった。この技術は、従来の手法よりも低コストで、リチウムやコバルトなどのレアメタルを高純度で回収できる点が特徴だ。

欧州での実用化の背景

このリサイクル技術を開発したのは、東京に本社を置く「リサイクルテック社」(仮称)。同社は2018年の創業以来、バッテリーリサイクル技術の研究開発に注力してきた。欧州では、EVの急速な普及に伴い、使用済みバッテリーの処理が深刻な環境問題となっている。EUは2023年、バッテリー規制を強化し、リサイクル材の使用義務を課す方針を打ち出しており、日本企業の技術が注目を集めている。

リサイクルテック社のCEOは「欧州での実用化は、我々の技術が国際的に認められた証しだ。今後はアジアや北米にも展開を広げたい」と述べている。具体的には、ドイツの大手自動車部品メーカーと提携し、2024年中に年産1000トン規模のリサイクルプラントを稼働させる計画だ。

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技術の詳細と優位性

従来のバッテリーリサイクル技術では、バッテリーを高温で溶解する「乾式製錬」や、酸などで溶解する「湿式製錬」が主流だった。しかし、これらの方法はエネルギー消費が大きく、回収率も低いという課題があった。

リサイクルテック社の技術は、独自の有機溶媒を用いた「選択的溶解法」を採用。常温・常圧の条件下で、リチウム、コバルト、ニッケル、マンガンなどの金属を99%以上の純度で分別回収できる。また、エネルギー消費量は従来の乾式製錬の約3分の1で、CO2排出量も大幅に削減できるという。

同社のCTOは「この技術は、使用済みバッテリーだけでなく、製造工程で発生する不良品や端材にも適用可能だ。資源の有効活用と環境負荷低減の両立に貢献できる」と説明する。

市場への影響と今後の展望

EV用バッテリーの需要は急増しており、2025年には世界で約100万トンのバッテリーが廃棄されると予測されている。リサイクル技術の確立は、資源の安定供給と価格高騰の抑制につながる。

富士経済の調べによると、世界のバッテリーリサイクル市場は2030年には約2兆円規模に成長する見込み。日本企業が持つ高い技術力は、この市場で大きな競争力を持つと期待されている。

リサイクルテック社は、欧州の実用化を皮切りに、2025年には日本国内でも実証プラントを建設する計画。さらに、2030年までに世界5カ所にリサイクル拠点を設け、年間処理能力を10万トンに引き上げる目標を掲げている。

政府もこうした動きを後押ししており、経済産業省は2023年度補正予算で、バッテリーリサイクル技術の実証事業に50億円を計上した。日本の技術が世界のEV市場の持続可能性に貢献することが期待されている。

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