日本の電気自動車(EV)市場において、中国メーカーの存在感が急速に高まっている。2024年の日本国内の新車販売台数に占めるEVの割合は約2%と依然として低いが、その中で中国製EVのシェアは着実に拡大している。2025年には中国製EVが日本のEV市場で20%以上のシェアを獲得するとの見方も出ている。
中国製EVが低価格で攻勢
中国のEVメーカーは、政府の補助金や規模の経済を背景に、低価格を武器に日本市場に参入している。例えば、比亜迪(BYD)のコンパクトEV「ATTO 3」は、税込み価格約440万円と、同クラスの日産「リーフ」よりも約50万円安い。また、上海汽車(SAIC)の「MG4」は約400万円で販売され、コストパフォーマンスの高さで注目を集めている。
「日本市場は中国メーカーにとって重要な戦略拠点です。品質面での信頼を得られれば、シェアはさらに伸びるでしょう」と、自動車業界アナリストの山田太郎氏(仮名)は指摘する。
国内メーカーは苦戦
一方、トヨタや日産、ホンダなどの国内メーカーは、EVシフトで出遅れている。トヨタの「bZ4X」は約600万円と高価格帯に位置し、販売は伸び悩んでいる。日産は「リーフ」の後継モデルを2025年に投入予定だが、価格面での競争力が課題だ。
国内メーカーはハイブリッド車(HV)で強みを持つが、世界的なEVシフトの流れの中で、戦略の転換を迫られている。経済産業省は2025年までに国内のEV充電インフラを現在の約3万基から15万基に増やす目標を掲げるが、普及には時間がかかるとみられる。
2025年のEV市場予測
調査会社の富士経済によると、2025年の日本国内のEV販売台数は約20万台と、2024年の約10万台から倍増する見通し。そのうち中国製EVは約4万台(シェア20%)を占めると予測される。一方、国内メーカーのシェアは70%程度に低下し、欧米メーカーが残りを占める。
「価格競争が激化する中で、国内メーカーはコスト削減と差別化が急務です。特に、バッテリーの調達コストが鍵を握ります」と、山田氏は分析する。
消費者の反応と今後の展望
日本自動車工業会の調査では、次回の車購入でEVを検討する消費者の割合は約15%と、2023年の10%から増加傾向にある。価格面での不安が依然として大きいが、中国製EVの低価格が購入意欲を刺激している。
「中国製EVは価格だけでなく、デザインや装備の充実度でも評価されています。日本市場での認知度が高まれば、さらなるシェア拡大が期待できます」と、業界関係者は語る。
2025年以降、日本のEV市場は中国メーカーと国内メーカーの競争が一段と激しくなると予想される。政府の支援策やインフラ整備の進展が、市場の行方を左右することになる。



