中国の電気自動車(EV)市場で、日本メーカーの存在感が急速に低下している。2024年上半期の日本メーカーの販売台数は前年同期比で約15%減少し、市場全体の成長率を大きく下回った。中国自動車工業協会のデータによれば、同期間の中国EV市場全体の販売台数は前年比約30%増加しており、日本メーカーの苦戦が際立つ。
日本メーカーのシェア低下要因
日本メーカーのシェア低下の主因は、中国現地メーカーの急速な台頭にある。BYD(比亜迪)やNIO(蔚来汽車)などの中国ブランドは、低価格帯から高級車まで幅広いラインアップを揃え、技術面でも急速に進化している。特にBYDは、2024年上半期に中国EV市場で約35%のシェアを占め、首位を独走。一方、トヨタや日産などの日本メーカーは、EV投入の遅れや価格競争力の不足が響いている。
「日本メーカーはハイブリッド車(HV)で成功したが、EVシフトに出遅れた。中国市場ではEVが主流となりつつあり、HVの優位性は薄れている」と、業界アナリストの李強氏は指摘する。日本メーカーは2024年に入り、中国向けEVの新モデルを相次いで投入しているが、販売台数は伸び悩んでいる。
市場環境の変化と競争激化
中国政府のEV購入補助金政策も、市場の競争を激化させている。補助金は主に中国国内メーカーに有利に設計されており、外国メーカーは価格面で不利な立場にある。さらに、中国メーカーはバッテリー技術や自動運転機能などで差別化を図り、消費者の支持を集めている。
「中国のEV市場は価格競争が激しく、日本メーカーは利益率の低下に悩んでいる。現地メーカーは政府の支援もあり、研究開発に積極的に投資できる」と、上海交通大学の王教授は述べる。日本メーカーは、中国市場でのシェア回復のために、現地パートナーとの協業強化やコスト削減が急務となっている。
今後の見通し
日本メーカーは、2025年以降に投入予定の次世代EVで巻き返しを図る方針だが、中国メーカーの技術革新のスピードは速く、容易な道のりではない。トヨタは2026年までに中国市場向けEVを10モデル投入すると発表しているが、市場の反応は不透明だ。
「日本メーカーが中国市場で再び存在感を示すには、単なるEV販売ではなく、バッテリー交換や充電インフラなど、エコシステム全体での競争力が必要」と、自動車業界コンサルタントの張氏は語る。中国EV市場の競争は今後も激化し、日本メーカーの生き残りには戦略的な転換が求められる。



