中国の電気自動車(EV)市場で、日本メーカーが苦戦を強いられている。市場全体が急成長する中、テスラや中国のBYDが販売を伸ばし、日本勢はシェアを落としている。
市場の成長と日本勢の現状
中国のEV市場は、政府の補助金や充電インフラの整備により、2020年以降急速に拡大している。2023年のEV販売台数は前年比35%増の約800万台に達し、世界最大の市場となった。しかし、日本メーカーのシェアは2020年の約10%から2023年には5%未満に低下している。
日産自動車やトヨタ自動車は、中国市場向けにEVを投入しているが、販売は伸び悩んでいる。特に日産は、自社のEV「リーフ」の販売が低迷し、中国市場での存在感が薄れている。トヨタは、水素燃料電池車に注力してきたが、EVへの移行が遅れたと指摘されている。
テスラとBYDの攻勢
一方、テスラは上海工場での生産を拡大し、2023年には中国で約60万台を販売した。BYDは、低価格モデル「海豚(ドルフィン)」や「秦(チン)」シリーズが人気で、2023年の販売台数は約300万台に達し、中国市場でトップシェアを占める。
- テスラ:2023年中国販売60万台、シェア約7.5%
- BYD:2023年中国販売300万台、シェア約37.5%
- 日本勢合計:2023年中国販売40万台未満、シェア5%未満
両社は、価格競争と技術革新で優位に立っている。テスラは自動運転技術やバッテリー効率で、BYDは低コスト生産と豊富なモデルラインアップで、消費者を引き付けている。
日本メーカーの課題
日本メーカーの苦戦の背景には、以下の要因がある。
- EV戦略の遅れ:トヨタや日産はハイブリッド車や水素車に注力し、EVへの投資が遅れた。
- 現地化の不足:中国市場向けのモデル開発や生産拠点の拡充が不十分。
- 価格競争力の欠如:テスラやBYDに比べ、コスト競争力で劣る。
さらに、中国政府のEV補助金は主に国産メーカーを対象としており、日本メーカーは恩恵を受けにくい。また、中国消費者の間では、国産ブランドへの支持が高まっている。
今後の展望
日本メーカーは、中国市場での巻き返しを図るため、新たな戦略を打ち出している。トヨタは2024年以降、中国市場向けに複数のEVモデルを投入する計画で、日産は現地パートナーとの協業を強化している。しかし、テスラやBYDの勢いは衰えず、日本勢がシェアを回復するのは容易ではない。
専門家は、日本メーカーが中国市場で生き残るためには、現地のニーズに合わせた製品開発と、価格競争力の向上が不可欠だと指摘する。また、中国政府の政策変更や、世界的なEV需要の変動にも注意が必要だ。



