中国自動車市場で日本車メーカーの存在感が急激に低下している。2024年の販売シェアは10%を割り込み、過去最低を記録した。背景にあるのは、世界最速で進む電気自動車(EV)シフトへの対応の遅れだ。
日本車シェア、10%割れ
中国汽車工業協会のデータによると、2024年1~11月の日本車メーカーの中国市場シェアは9.8%と、初めて1桁台に落ち込んだ。前年同期の13.5%から3.7ポイント低下。トヨタ、ホンダ、日産の3社合計の販売台数は前年比で約20%減少した。
一方、中国のEV・プラグインハイブリッド車(PHV)販売は急拡大。2024年の新車販売に占める割合は50%を超え、政府の補助金や充電インフラ整備が後押ししている。中国勢の比亜迪(BYD)はEVとPHVで世界販売首位に立ち、テスラも上海工場で年間100万台を生産する。
EVシフトに出遅れ
日本車メーカーはこれまでハイブリッド車(HV)で強みを発揮してきたが、中国政府がEVとPHVに重点的な支援を行う中で、戦略の転換が迫られている。トヨタは2024年12月に中国でEV生産を倍増する計画を発表したが、市場の成長速度に追いついていない。
ホンダは2024年11月、中国でのEV販売が目標の半分にとどまったと明らかにした。日産も中国市場向けのEV投入を急ぐが、価格競争で中国勢に劣る。業界関係者は「日本車の品質や燃費性能は依然評価されているが、EVのソフトウェアやバッテリー技術では中国勢に遅れを取っている」と指摘する。
中国市場の厳しい現実
中国市場は世界最大の自動車市場であり、日本車メーカーにとって重要な収益源だ。しかし、2024年の日本車メーカーの中国販売台数は約300万台と、ピーク時の2019年から3割減少。シェア低下は利益にも響いており、日産は2024年度に中国事業で初の赤字を見込む。
中国勢は価格競争力を武器に、EV市場で優位に立つ。BYDの最量販EVは日本車の同価格帯モデルより20%以上安い。さらに、自動運転やコネクテッド技術で差別化を図り、消費者の支持を集めている。
今後の展望
日本車メーカーは中国市場での巻き返しを図るため、EV投資を加速している。トヨタは2025年までに中国で10車種以上のEVを投入する計画。ホンダは中国のEVブランド「e:N」シリーズを拡充し、日産は中国企業との提携を強化する。
しかし、市場の競争は激化の一途をたどる。中国のEV市場では100以上のブランドがひしめき合い、価格競争が続く。日本車メーカーがシェアを回復するには、EVのラインアップ拡充だけでなく、ソフトウェアやサービス面での革新が不可欠だ。



