2026年の国内電気自動車(EV)販売台数が初めて年間50万台を超える見通しとなった。日本自動車販売協会連合会(自販連)が18日発表した上半期(1~6月)の販売台数は前年同期比38%増の28万7000台に達し、このペースが続けば年間で50万台を突破するのは確実とみられる。
補助金拡充と充電網整備が需要を喚起
急成長の背景には、政府によるEV購入補助金の大幅拡充がある。2025年度補正予算で計上されたEV補助金は、従来の最大80万円から最大120万円に引き上げられ、さらに充電設備の設置補助も拡充された。また、全国の高速道路サービスエリアや商業施設での急速充電器設置が加速し、充電インフラの整備が消費者の「航続距離不安」を和らげている。
自販連の担当者は「補助金拡充と充電インフラ整備が相まって、EV購入を検討する消費者が大幅に増えている。特に、地方都市での販売が好調で、これまでEV需要が限定的だった地域でも普及が進んでいる」と説明する。
各社の新型車投入も追い風
自動車メーカー各社の新型EV投入も販売を押し上げている。トヨタ自動車は2025年秋に発売した「bZ4X」の改良版が好調で、上半期に約6万台を販売。日産自動車の「サクラ」は軽EV市場でトップシェアを維持し、約4万5000台を売り上げた。ホンダも2026年春に発売したSUVタイプのEV「プロローグ」が若年層を中心に支持を集め、約3万台を販売している。
業界関係者は「各社が競って魅力的なモデルを投入したことで、選択肢が増えたことが需要拡大につながっている。特に、価格帯が300万円以下のエントリーモデルが売れ筋となっている」と指摘する。
充電インフラの整備状況
経済産業省によると、2026年6月末時点で全国の急速充電器の設置基数は約4万2000基と、2023年末の約2万8000基から50%増加した。政府は2030年までに30万基の充電器設置を目標に掲げており、補助金や規制緩和を通じて民間事業者の参入を促進している。
充電インフラの整備は、EV普及の最大の壁とされてきた「充電の不便さ」を解消する鍵となっている。特に、高速道路のサービスエリアでは、従来の1基から平均4基に増設され、休憩時間中の充電が容易になった。
今後の課題
一方で、電力供給の安定性や、バッテリーのリサイクル体制の構築など、課題も残る。特に、EV普及に伴う電力需要の増加に対応するため、再生可能エネルギーの拡充が急務となっている。また、中古EV市場の整備や、バッテリー交換式EVの普及促進など、持続可能なエコシステムの構築が求められる。
政府は2026年度中に、EV関連の包括的な政策パッケージを策定する方針で、充電インフラのさらなる拡充や、バッテリーリサイクル技術の開発支援などが盛り込まれる見通し。



