日本のEV普及率、2025年に5%突破へ—政府目標達成は困難か
日本のEV普及率25年5%突破へ 目標達成は困難か

日本の電気自動車(EV)普及率が2025年に5%を突破するとの予測が出る一方、政府が掲げる同年の新車販売に占めるEV比率5%の目標達成は困難な情勢だ。経済産業省の資料によれば、2023年のEV販売台数は約5万台で、新車販売全体の1.5%に過ぎない。これに対し、中国では2023年のEV販売比率が約25%、欧州連合(EU)では約15%に達しており、日本の出遅れが際立つ。

充電インフラの整備遅れが足かせに

EV普及の最大の障壁は、充電インフラの不足だ。国土交通省の調査では、2024年3月時点での公共用充電器の設置数は約4万基で、政府目標の2030年までに30万基に対して大きく及ばない。特に、高速道路のサービスエリアや集合住宅での充電設備の整備が遅れており、長距離移動やマンション居住者にとってEV購入のハードルとなっている。

日本自動車工業会の調査では、EV購入を検討する消費者が最も重視する点として「充電の利便性」が挙げられ、約7割の回答者が現在の充電環境に不満を感じている。一方、中国では2023年末時点で公共充電器が約270万基設置されており、日本の約67倍の密度となっている。

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価格高騰と車種不足も課題

EVの車両価格が依然として高いことも普及を妨げている。日産自動車のリーフが約400万円、テスラのモデル3が約500万円と、同クラスのガソリン車と比べて100万〜200万円高い。さらに、日本市場で販売されるEVの車種は約20種と、ガソリン車の約400種に比べて極端に少ない。

経済産業省の担当者は「補助金の拡充や充電インフラ整備の加速で目標達成を目指す」と述べるが、専門家からは「現在のペースでは2025年の5%目標は非現実的」との声が上がる。東京大学の伊藤教授(エネルギー政策)は「充電インフラの整備には少なくともあと5年は必要。目標を現実的な水準に修正すべきだ」と指摘する。

国内メーカーの戦略転換も影響

トヨタ自動車がEVへの全面移行に慎重な姿勢を取るなど、国内メーカーの戦略も普及の遅れに影響している。トヨタはハイブリッド車(HV)や水素燃料電池車(FCV)にも注力しており、2023年のEV販売台数は約10万台と、世界販売全体の1%未満だ。一方、中国の比亜迪(BYD)は2023年にEVを約160万台販売し、世界首位に立った。

日本政府は2021年に「2035年までに新車販売を全て電動車(HV、EV、FCVなど)にする」目標を掲げたが、EV単体の普及目標は2025年時点で5%と控えめだ。それすらも達成が危ぶまれる状況に、業界関係者からは「目標の再設定と具体的なロードマップが必要」との声が上がる。

充電インフラ投資の加速が急務

政府は2024年度補正予算で充電インフラ整備に1000億円を計上したが、専門家は「まだ不十分」と指摘する。欧州では2025年までに公共充電器を100万基設置する計画が進行中で、日本も同規模の投資が必要との意見がある。

また、急速充電器の規格統一も課題だ。現在、日本では「CHAdeMO」方式が主流だが、海外では「CCS」方式が標準化しつつあり、相互運用性の確保が求められる。経済産業省は「規格の国際調和を進める」としているが、具体的なスケジュールは示されていない。

日本のEV普及は、充電インフラの整備、車種拡充、価格低減の3点が鍵となる。政府目標の達成は困難と見られるが、長期的な電動化シフトに向けた政策の加速が急務だ。

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