ホンダ「シビック タイプR」試乗記:世界最速のFF哲学は不変、330psの奇跡
ホンダ「シビック タイプR」試乗記:FF哲学不変の330ps

ホンダが世界に誇るホットハッチ、「シビック タイプR」の最新型FL5に、『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキが試乗した。1997年の初代EK9型以来、タイプRはホンダのレーシングスピリットの結晶であり、市販車の枠を超えた走行性能を追求してきた。エンジンは自然吸気の超高回転型VTECから直噴VTECターボへと変わったが、「世界最速のFFスポーツを創る」哲学は変わっていない。

自動車業界が電動化へ舵を切る中、FL5型は純粋な内燃機関とマニュアルトランスミッションのみを組み合わせた、ある種の「奇跡」のようなモデルだ。現在の時間軸で、こうしたクルマを公道で走らせられる喜びは筆舌に尽くしがたいと評されている。

エクステリアと価格:ワイドボディと空力の追求

試乗車はレーシングブラックパッケージ装着車で、現在のラインナップはこのパッケージのみの展開となる。ボディカラーは、鮮烈で冷徹な印象の「レーシングブルー・パール」だ。搭載エンジンは排気量1995ccの水冷直列4気筒DOHC16バルブターボで、駆動方式は前輪駆動(FF)、トランスミッションは6速マニュアルトランスミッション(6MT)である。内装色はブラックに統一されている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

価格は6,179,800円。試乗車にはディーラーオプションとして70,400円のプレミアムフロアカーペットと、57,200円の前後2カメラセットのドライブレコーダーが装着され、車両総額は6,307,400円だ。近年のスポーツカー価格高騰、特に欧州のハイパフォーマンスカーが1000万円台に達する現状を考えれば、330psを誇る世界トップクラスのトラックウェポンが600万円台前半で手に入るのは、バーゲンプライスかもしれないとされている。

実車で圧倒されるのは、低く構えたワイドなプロポーションと空力を追求したエクステリアデザインだ。ベースのシビックの流麗なハッチバックシルエットを活かしつつ、タイプR専用のワイドフェンダーによって全幅はベースモデルから90mm拡大され、1890mmに達する。このワイド化は、極太の265/30ZR19サイズのミシュラン・パイロットスポーツ4Sタイヤを四輪に収め、フロントトレッドを拡大してコーナリングフォースを受け止めるための必然的な形状だ。

フロント周りでは、冷却効率を高めるために開口部が極大化されたフロントバンパーと、エンジンルーム内の熱気を排出するアウトレットが設けられたアルミ製ボンネットが目を引く。これらは空気抵抗を低減しながらダウンフォースを稼ぐエアロダイナミクス装備で、機能美そのものだ。サイドには空力を意識したサイドシルガーニッシュが地を這うようなスタンスを強調し、足元にはタイプR専用の19インチリバースリムアルミホイールがマットブラックの光を放つ。後ろには、ブレンボ社製のフロント大径ベンチレーテッド2ピースディスクブレーキが鎮座し、真紅のキャリパーがレーシングブルー・パールのボディカラーに絶妙なコントラストを生み出す。

リアビューで最も特徴的なのは、グロスブラックに塗装された専用のリアスポイラーだ。アルミダイキャスト製のステーで強固にマウントされた巨大なウイングは、ルームミラー越しの視界を妨げないよう絶妙な高さと角度に設定されつつ、高速域で強力なダウンフォースを発生させる。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ