政府は、電気自動車(EV)の普及目標を年内にも改定する方針を固めた。現在の目標は、2035年までに新車販売の100%を電動車(EV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)とするものだが、現状の普及ペースが遅れていることから、目標達成に向けた具体的な施策を強化する必要があると判断した。
充電インフラの拡充が焦点
改定の柱となるのは、充電インフラの整備加速だ。政府は、2030年までに全国で30万基の充電器設置を目標に掲げているが、2023年末時点で約4万基にとどまっている。このため、高速道路のサービスエリアや商業施設への急速充電器の設置を促進するほか、集合住宅への充電設備導入に対する補助金を拡充する方針。
経済産業省の担当者は、「充電インフラの不足がEV普及の最大の障壁となっている。目標達成には官民連携でインフラ整備を加速させる必要がある」と述べている。
補助金の見直しも検討
また、EV購入時の補助金制度の見直しも検討される。現在は車両価格に応じて最大85万円の補助金が支給されているが、より効果的な制度とするため、低価格帯のEVや軽EVへの補助を手厚くする案が浮上している。一方で、高額車種への補助を縮小する方向だ。
政府は2024年度中に改定案をまとめ、年内にも正式決定する見通し。自動車業界からは「目標達成には充電インフラの大幅な拡充が不可欠であり、具体的なロードマップを示すべきだ」との声が上がっている。
国際的な競争も背景に
世界ではEVシフトが加速しており、中国や欧州連合(EU)が積極的な普及策を打ち出す中、日本は出遅れているとの指摘がある。2023年の新車販売に占めるEVの割合は約2%で、欧州の約20%、中国の約25%を大きく下回る。政府は今回の目標改定を通じて、国際競争力を強化したい考えだ。
専門家は「目標改定だけでなく、充電インフラの整備計画や補助金の効果検証を同時に進める必要がある。また、ユーザーの利便性向上につながる規制緩和も検討すべきだ」と指摘する。



