電気自動車(EV)への移行が世界的に加速する中、ガソリン車向け部品を主力とするサプライヤーが存亡の危機に直面している。エンジンやトランスミッションなど、EVでは不要となる部品の需要が急減しており、多くの企業が収益悪化に苦しんでいる。
部品点数減少が収益を圧迫
ガソリン車には約3万点の部品が使われるのに対し、EVは約2万点と部品点数が約3分の2に減少する。特にエンジン関連部品は完全に不要となり、これまで主要な収益源だったサプライヤーは大きな打撃を受けている。業界団体の調査によると、国内の部品サプライヤーのうち約3割がEV対応に遅れをとっており、収益悪化に直面している。
ある部品メーカーの幹部は「エンジン部品だけで売上高の約4割を占めており、このままでは数年後には経営が立ち行かなくなる」と危機感を語る。
事業転換の加速が急務
こうした状況を受け、多くのサプライヤーはEV向け部品への事業転換を急いでいる。しかし、EV向け部品はガソリン車向けと比べて単価が低く、参入障壁も高いため、容易ではない。さらに、EVシフトの速度は地域によって異なり、日本国内ではまだガソリン車の需要が残っているため、投資判断が難しいという課題もある。
専門家は「サプライヤーは早急にEV関連技術を獲得し、新たなビジネスモデルを構築する必要がある。政府の支援も重要だが、自助努力が不可欠だ」と指摘する。
業界再編の可能性
こうした環境下で、業界再編の動きも活発化している。大手サプライヤーを中心に、EV向け部品の共同開発や生産委託の動きが広がっており、中小サプライヤーの淘汰が進む可能性がある。経済産業省の試算では、2030年までに国内の部品サプライヤーの約2割が事業縮小や撤退を余儀なくされるとされている。
自動車業界の構造変化は避けられず、ガソリン車部品サプライヤーにとって、今まさに生き残りをかけた戦いが始まっている。



