EVシフトで変わる自動車産業、部品メーカーの生き残り戦略
EVシフトで変わる自動車産業、部品メーカーの戦略 (23.06.2026)

電気自動車(EV)へのシフトが自動車産業の構造を根底から変えつつある。エンジンやトランスミッションなど、従来の内燃機関車に不可欠だった多くの部品が不要となり、部品点数はガソリン車の約3分の1にまで減少すると言われる。この変化は、部品メーカー(サプライヤー)にとって死活問題となっており、各社は生き残りをかけて新技術の開発や事業ポートフォリオの見直しを迫られている。

部品点数減少の衝撃

自動車1台に使われる部品点数は、ガソリン車で約3万点とされるが、EVでは約1万点にまで減ると見られている。特にエンジン、燃料タンク、排気系、変速機など、パワートレイン関連の部品が不要になる影響は大きい。これにより、従来エンジン部品を主力としてきたサプライヤーは、既存事業の縮小を余儀なくされる。一方で、モーター、インバーター、バッテリー、パワーエレクトロニクスといったEV特有の部品への需要が急拡大しており、対応の差が企業の明暗を分ける。

サプライヤーの3つの戦略

厳しい環境下で、部品メーカーは大きく分けて3つの戦略を取っている。1つ目は、EV向け新技術への積極投資だ。例えば、従来のエンジンバルブメーカーが水素エンジン用バルブやEV用冷却システムに軸足を移すケースがある。2つ目は、M&Aや事業提携による事業ポートフォリオの組み替え。3つ目は、自動車以外の分野(航空宇宙、医療機器など)への多角化である。いずれも、従来の延長線上ではない大胆な変革が求められている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

生き残りをかけた競争

「EVシフトはサプライヤーにとって脅威であると同時に、新たな市場を創出する機会でもある。技術力とスピードが勝負の鍵を握る」と、業界アナリストは指摘する。実際、トヨタ自動車のグループ企業であるデンソーは、EV向けの熱マネジメントシステムやパワー半導体の開発を加速。また、独ボッシュは水素エンジン用部品や自動運転センサーに注力する。一方で、経営規模の小さなサプライヤーは、資金力や技術力で劣るため、淘汰が進む可能性が高い。

経済産業省の試算によれば、2030年には国内のEV販売比率が20〜30%に達する見通し。この流れは、部品メーカーの事業構造にさらなる変革を迫る。遅れを取った企業は、生き残りすら危うくなる。サプライヤー各社の選択が、今後の自動車産業の地図を大きく塗り替えることになるだろう。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ