EVシフト加速でガソリン車の維持費が高騰する現実
EVシフトでガソリン車の維持費が高騰

世界的な電気自動車(EV)シフトの加速に伴い、ガソリン車を保有するドライバーの維持費が急激に上昇している。日本自動車工業会の試算によると、2030年までにガソリン車の年間維持費は現在より約5万円高い20万円を超える見通しだ。この背景には、EV普及によるガソリン車部品の生産縮小や、内燃機関に精通した整備士の減少がある。

部品供給の減少が修理費を押し上げ

自動車部品メーカー各社は、EV向け部品への生産シフトを進めており、ガソリン車向け部品の供給量が減少している。例えば、エンジン用ピストンや燃料噴射装置などの需要は、2025年までにピーク比で30%減少すると予測される。この結果、ガソリン車の修理に必要な部品が入手困難になり、価格が高騰。整備工場では、交換部品の価格が過去2年で平均15%上昇したと報告されている。

整備士不足が拍車をかける

さらに、ガソリン車の整備を担う整備士の数も減少傾向にある。経済産業省の調査によれば、内燃機関の整備資格を持つ整備士は、2023年時点で10年前と比較して約20%減少。若年層の間でEV整備への関心が高まる一方、ガソリン車の整備技術を継承する人材が不足している。日本自動車整備振興会の田中宏氏は「ガソリン車の整備を依頼しても、対応できる工場が限られており、工賃も上昇している」と指摘する。

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ユーザー負担増と中古車市場への影響

維持費の上昇は、ガソリン車ユーザーの家計を直撃する。年間20万円を超える維持費は、平均的なドライバーにとって大きな負担だ。この影響で、中古車市場ではガソリン車の需要が減少し、2023年の平均取引価格は前年比で8%下落した。一方、EV中古車の価格は安定しており、消費者のEVシフトをさらに促進する可能性がある。

政府の対応と今後の見通し

政府は、2035年までに新車販売の全てを電動車にする目標を掲げているが、既存のガソリン車ユーザーへの支援策は限定的だ。経済産業省は「部品供給の安定化や整備士の育成プログラムを強化する」としているが、具体的な施策はまだ示されていない。専門家は、ガソリン車の維持費が今後さらに上昇し、2025年には年間25万円に達する可能性もあると警告している。

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