電気自動車(EV)への移行が加速する中、日本の自動車部品大手が相次いで事業再編に動いている。従来のエンジン関連部品からEV向け部品へのシフトを迫られ、生き残りをかけた業界再編の波が押し寄せている。
デンソーとアイシンが事業統合
トヨタグループの部品大手であるデンソーとアイシンは、2024年4月に電動化関連事業の統合を発表した。両社はEV向けの駆動モジュールやパワートレイン部品の開発・生産で協業し、規模の拡大によるコスト競争力の強化を図る。デンソーの林新之助社長は「電動化の流れは待ったなし。両社の技術を結集し、世界で戦える体制を築く必要がある」と述べている。
サプライチェーンの再編加速
EVシフトは部品点数を大幅に減らすため、従来のエンジンやトランスミッションを生産してきた部品メーカーには死活問題だ。例えば、エンジン部品を主力とする企業は需要減少に直面し、事業の転換が急務となっている。こうした中、各社はM&Aや事業売却を積極化しており、業界再編は今後さらに加速するとみられる。
電池やモーターなど成長分野への集中
再編の動きは、成長分野へのリソース集中を目的としている。特に、車載電池やモーター、インバーターなどのEVの中核部品は需要が急拡大しており、各社はこれらの分野に経営資源を振り向けている。住友電気工業は、2025年度までにEV関連事業に1000億円を投資する計画を発表。同社の松本義人社長は「電動化関連の受注は順調に増えており、生産能力を拡大する必要がある」と語る。
海外勢との競争激化
一方で、海外の部品メーカーも積極的に投資を進めており、競争は激化している。中国のCATLや韓国のLGエナジーソリューションなどは、車載電池で世界市場を席巻しており、日本の部品メーカーは遅れをとっている。日本のメーカーは、品質や信頼性で差別化を図るとともに、コスト削減や生産効率の向上が求められている。
政府の支援も追い風に
日本政府も、EVシフトに対応する部品産業の再編を後押ししている。経済産業省は、自動車部品サプライチェーンの強靭化に向けた補助金制度を創設し、再編や事業転換を支援する方針だ。これにより、中小部品メーカーの再編も進む可能性がある。
自動車部品業界の再編は、EVシフトの進展とともに今後も続く見通しだ。各社は、生き残りをかけて事業ポートフォリオの見直しや新たな技術開発に注力しており、業界地図が大きく塗り替わる可能性がある。



