中国市場で電気自動車(EV)へのシフトが急速に進んでいる。2025年までに中国の新車販売の半数がEVになるとの予測が出る中、日本メーカーは苦境に立たされている。中国自動車工業協会のデータによると、2023年の中国市場におけるEV販売台数は前年比35%増の約900万台に達し、市場シェアは31%を超えた。
日本メーカーのシェア低下が顕著
日本メーカーの中国市場でのシェアは、2020年の約23%から2023年には約15%に低下した。特にトヨタ自動車は2023年の中国販売台数が前年比1.7%減の約190万台となり、成長が鈍化。日産自動車は同24%減の約79万台、ホンダは同10%減の約123万台と、いずれも苦戦している。
一方、中国地場メーカーのBYDは2023年に約302万台を販売し、前年比62%増と急成長。EV市場でのシェアは約35%に達し、トップを走る。BYDの王伝福会長は「2024年にはEV販売台数を400万台に引き上げる」と表明している。
サプライチェーンにも波及
このEVシフトは部品サプライヤーにも大きな影響を与えている。デンソーは中国向け部品事業の再編を進めており、2024年中に内燃機関向け部品の生産を一部縮小する方針。同社の中国事業責任者は「EV部品へのシフトを加速せざるを得ない」とコメントした。
また、中国市場での競争激化は価格競争も招いている。2023年にはBYDが「秦」シリーズを約10万円値下げしたのを皮切りに、多くの中国メーカーが値下げ競争に突入。日本メーカーも追随を余儀なくされ、収益を圧迫している。
今後の展望と対応策
日本メーカーは中国市場での巻き返しに向け、EV投入を加速している。トヨタは2024年に中国市場向けの新型EV「bZ3C」を投入予定。日産も2025年までに中国で4車種のEVを発売する計画だ。しかし、中国メーカーの勢いを止めるのは容易ではない。
専門家は「日本メーカーが中国市場で生き残るには、現地パートナーとの協業強化や、コスト競争力のあるEVの開発が不可欠」と指摘する。また、中国のEVシフトは世界市場にも波及しており、日本メーカーはグローバル戦略の見直しを迫られている。



