EVシフト加速もガソリン車の需要減が部品サプライヤーを直撃、生き残りへ新戦略
EVシフト加速で部品サプライヤーに試練、生き残りへ新戦略

世界的な電気自動車(EV)シフトの加速により、ガソリン車の需要が減少し、自動車部品サプライヤーに深刻な影響が及んでいる。従来のエンジンやトランスミッション関連部品の需要が急減する一方で、EV向け部品への転換が急務となっている。

ガソリン車需要の減少とサプライヤーの苦境

日本自動車工業会のデータによると、2023年の国内ガソリン車販売台数は前年比で約15%減少した。この傾向は世界的にも顕著で、欧州連合(EU)は2035年までにガソリン車の新車販売を事実上禁止する方針を打ち出している。こうした動きを受け、部品サプライヤーは収益悪化に直面。特にエンジン部品を主力とする企業では、売上高が前年比で20%以上減少したケースもある。

ある大手部品メーカーの幹部は「これまでのビジネスモデルが通用しなくなるのは明らか。EV対応部品の開発に注力しなければ、生き残れない」と語る。同社は既にエンジン部品の生産ラインを縮小し、EV向けモーターやインバーターの生産にシフトしている。

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生き残りをかけた新戦略

こうした状況下で、部品サプライヤー各社は生き残りをかけた新戦略を打ち出している。具体的には、事業再編による選択と集中、EV向け部品の開発強化、そして異業種への進出が主な柱となっている。

例えば、ある中堅部品メーカーは、エンジン部品の生産を段階的に縮小する一方で、EV用バッテリーケースの製造に参入。2025年までに売上高に占めるEV関連比率を30%に引き上げる目標を掲げる。また、別の企業は自動運転技術やコネクテッドカー向けソフトウェアの開発に乗り出し、部品供給からソリューション提供へとビジネスモデルを転換しようとしている。

業界再編の動きも加速

厳しい経営環境を背景に、業界再編の動きも加速している。2023年には複数の部品メーカーが合併や事業譲渡を発表。例えば、A社とB社はエンジン部品事業を統合し、規模の拡大によるコスト削減を図る。一方、C社は不振の内装部品事業を売却し、EV関連事業に経営資源を集中させる方針だ。

専門家は「今後、サプライヤーの淘汰が進むのは避けられない。EVシフトに対応できる技術力や資金力を持つ企業だけが生き残るだろう」と指摘する。また、自動車メーカーとの関係も変化しており、従来の系列を超えた提携や資本業務提携が増加している。

新たなビジネスチャンスも

一方で、EVシフトは新たなビジネスチャンスも生み出している。例えば、EVに不可欠なバッテリーやモーター、パワー半導体など、従来のガソリン車にはなかった部品の需要が急拡大。さらに、充電インフラや車載ソフトウェアの分野でも成長が見込まれている。

ある調査会社の予測によると、世界のEV部品市場は2030年までに年平均成長率20%以上で拡大し、市場規模は現在の約3倍に達する見通し。この成長市場を取り込むため、部品サプライヤーは技術開発や生産能力の増強に積極的に投資している。

日本政府も、EVシフトに対応するための補助金や税制優遇措置を拡充。2024年度からは、EV向け部品の研究開発に対する補助率を引き上げる方針だ。これにより、国内サプライヤーの競争力強化が期待される。

まとめ

EVシフトの加速は、自動車部品サプライヤーに構造的な変革を迫っている。ガソリン車の需要減少による収益悪化は避けられないが、新たな分野への進出や事業再編によって、生き残りを模索する動きが活発化している。今後の業界再編や技術開発の行方が注目される。

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