EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場の現実
EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場 (19.07.2026)

東南アジアの電気自動車(EV)市場で中国メーカーの存在感が急速に高まっている。2024年上半期の東南アジア主要6カ国における新車販売台数に占めるEVの割合は6%に達し、そのうち約7割を中国ブランドが占めた。日本勢はハイブリッド車(HV)で健闘するものの、EVでは出遅れが鮮明となっている。

中国勢の躍進と日本勢の苦戦

調査会社マークラインズのデータによると、2024年1~6月のタイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、シンガポールのEV販売台数は前年同期比で倍増。特にタイではEV販売の8割以上を中国ブランドが占め、BYD(比亜迪)が首位を独走する。一方、日本メーカーのEV販売は低調で、トヨタのEV「bZ4X」の販売は伸び悩んでいる。

タイ政府のEV振興策と中国企業の投資

タイ政府は2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げ、購入補助金や輸入関税の引き下げなどでEV普及を後押しする。これに呼応し、BYDや長城汽車など中国メーカーはタイに工場を建設し、現地生産を開始。2024年にはBYDがタイでEV生産を始め、東南アジア全体の供給拠点として位置づけている。タイ投資委員会(BOI)の担当者は「中国企業の投資はEVサプライチェーン全体に波及し、雇用創出にも貢献している」と述べた。

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日本メーカーの巻き返しは可能か

日本メーカーもEV投入を進めるが、価格競争で中国勢に劣る。トヨタは2025年までにタイでEV生産を計画するが、現時点ではHVに注力。業界関係者は「日本勢がEVで巻き返すには、価格競争力と充電インフラ整備が課題」と指摘する。東南アジアでは中国製の安価なEVが急速に浸透しており、日本勢のシェア回復は容易ではない。

市場拡大の課題と今後の展望

EV普及には充電インフラの整備が不可欠だが、東南アジアではまだ不十分。タイでは2024年時点で充電スタンドが約1万基と、政府目標の1万2000基に迫るが、地方部では不足。また、電力網の安定性も課題だ。それでも市場は拡大が見込まれ、国際エネルギー機関(IEA)の予測では、東南アジアのEV販売は2025年に30万台を超える。中国勢の攻勢が続く中、日本メーカーの戦略が問われている。

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