EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場の現状
EVシフト加速、中国勢が席巻する東南アジア市場 (19.06.2026)

東南アジアにおける電気自動車(EV)の普及が加速している。特に中国メーカーの攻勢が顕著で、日本メーカーは厳しい競争に直面している。タイやインドネシアなど主要市場では、中国製EVの販売台数が急増しており、現地政府の支援策も追い風となっている。

タイ市場での中国勢の躍進

タイは東南アジア最大の自動車生産国であり、EV市場でも先頭を走っている。2023年のEV販売台数は前年比で約4倍に拡大し、その約8割を中国メーカーが占めた。特に比亜迪(BYD)や長城汽車、上汽集団傘下のMGなどが人気を集めている。タイ政府はEV購入補助金や輸入関税の引き下げなど積極的な政策を打ち出し、2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げている。

日本メーカーは長年タイ市場で高いシェアを誇ってきたが、EV分野では出遅れている。トヨタやホンダはハイブリッド車(HV)に注力してきたが、EV専用モデルの投入は遅れている。日産自動車は「リーフ」を販売しているが、販売台数は中国勢に大きく水をあけられている。

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インドネシアでの資源を活かした戦略

インドネシアは世界最大のニッケル埋蔵量を誇り、EV電池の原料供給地として注目されている。同国政府はEV産業の誘致に積極的で、中国メーカーの進出が相次いでいる。現代自動車とLGエナジーソリューションの合弁会社が電池工場を建設中であり、BYDもインドネシアへの進出を検討している。

インドネシアのEV販売はまだ少数だが、2023年には前年比で約3倍に増加した。中国メーカーは低価格帯のモデルを投入し、普及を促進している。一方、日本メーカーはHVに強みを持つが、EVでは存在感が薄い。トヨタは2022年にインドネシアでEV「bZ4X」を発売したが、販売は伸び悩んでいる。

日本メーカーの課題と今後の展望

日本メーカーは東南アジア市場で長年築いてきたブランド力や販売網を持つが、EVシフトへの対応が急務となっている。価格競争力や電池調達、充電インフラの整備など課題は多い。トヨタは多様なパワートレイン戦略を掲げ、HVや燃料電池車(FCV)も含めた総合的なアプローチを取っているが、EV専用モデルのラインアップ拡充が求められる。

東南アジア各国政府はEV普及に積極的で、2030年代にはガソリン車の新車販売禁止を検討する国もある。日本メーカーがこの市場で生き残るためには、EVへの本格的な投資と現地生産の強化が不可欠だ。中国勢との競争は激化しており、日本メーカーの戦略が問われている。

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