世界的な電気自動車(EV)販売の減速が、バッテリーメーカー各社に深刻な影響を与えている。これまで急成長を遂げてきたEV市場が一転、需要の鈍化によりバッテリーの受注が減少し、大手メーカーは生産調整を迫られている。
中国市場の減速が引き金に
背景には、世界最大のEV市場である中国での販売減速がある。中国政府による補助金縮小や経済減速が消費者の購買意欲を削ぎ、EV販売台数が予想を下回っている。これにより、バッテリーメーカーは在庫過剰に陥り、生産ラインの稼働率低下を余儀なくされた。
業界関係者によると、中国のバッテリーメーカー大手CATL(寧徳時代新能源科技)は、2024年第1四半期の受注が前年同期比で約20%減少したという。同社は工場の一部生産ラインを停止し、人員調整を進めている。
韓国勢も影響を受ける
韓国のバッテリーメーカーも例外ではない。LGエナジーソリューションは、欧米市場向けの受注が伸び悩み、生産計画の見直しを発表。SKオンも同様に、新工場の稼働開始を延期する方針を示した。
「EV需要の減速は一時的なものか、構造的な変化か、まだ判断が難しい」と、アナリストは指摘する。各社は需要回復を見据えつつも、短期的なコスト削減に迫られている。
業界再編の可能性も
この状況は、バッテリー業界の再編を加速させる可能性がある。中小メーカーは資金繰りに苦しみ、大手による買収や提携が進むとみられる。一方で、技術競争は依然として激しく、次世代バッテリーの開発競争は続いている。
「長期的にはEV市場は成長するが、足元の調整は避けられない」と、業界アナリストは語る。バッテリーメーカー各社は、需要の回復時期を見極めながら、柔軟な生産体制を模索している。



