EV販売急減速で日産・ホンダ提携戦略に暗雲、中国市場での苦戦深刻化
EV販売急減速で日産・ホンダ提携に暗雲、中国苦戦

世界的な電気自動車(EV)販売の減速が、日産自動車とホンダの提携戦略に暗い影を落としている。両社は2024年3月、EV分野での包括的な提携に合意したが、市場環境の急変により、その戦略の見直しを迫られている。

EV販売減速の実態

国際エネルギー機関(IEA)のデータによると、2024年の世界のEV販売台数は前年比で約20%増の1700万台と予測されているが、これは2023年の35%増から大きく減速している。特に、最大市場である中国では、補助金縮小や需要の一巡により、EV販売の伸びが鈍化。2024年上半期の中国EV販売台数は前年同期比でわずか12%増にとどまった。

日産の内田誠社長は「市場の変化は予想以上に速い。我々の戦略も柔軟に対応する必要がある」と述べ、提携戦略の見直しを示唆した。一方、ホンダの三部敏宏社長も「EVシフトのペースは地域によって大きく異なる。中国市場の減速は想定内だが、影響は無視できない」とコメントしている。

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中国市場での苦戦

日産とホンダの中国市場での販売は深刻な状況にある。日産の2024年上半期の中国販売台数は前年同期比で23%減の37万台、ホンダは21%減の41万台と、いずれも大幅な減少を記録した。中国市場では、地元メーカーのBYDや新興EVメーカーの台頭により、競争が激化。特に、価格競争が激しく、日産やホンダのEVは価格面で劣勢に立たされている。

自動車アナリストの山田一郎氏(仮名)は「日産とホンダは中国市場で存在感を失いつつある。EVシフトで出遅れたことが、ガソリン車の販売にも悪影響を及ぼしている」と指摘する。

提携戦略の課題

日産とホンダは、EVの基盤技術や部品の共通化、充電インフラの共有などを目指す提携を進めてきた。しかし、販売減速により、巨額の投資回収が見通せなくなっている。両社は2025年度までに合計で約5兆円のEV関連投資を計画しているが、需要の鈍化により、投資計画の見直しを余儀なくされる可能性がある。

また、両社の企業文化の違いも課題だ。日産はルノーとのアライアンスで培ったコスト削減志向が強く、ホンダは独自技術へのこだわりが強い。提携の進捗は遅れており、具体的な成果はまだ出ていない。

今後の展望

日産とホンダは、EVシフトの減速に対応し、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の開発を強化する方針だ。しかし、競合他社も同様の戦略を取っており、差別化は容易ではない。

専門家は、両社が中国市場での巻き返しを図るためには、地元企業との提携や、より安価なEVモデルの投入が必要と指摘する。しかし、短期的な解決策は見えず、両社の経営戦略は引き続き厳しい試練に直面している。

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