世界の電気自動車(EV)市場で販売の減速が指摘される一方、中国メーカーの攻勢は衰えを知らず、日本メーカーは厳しい立場に立たされている。調査会社のデータによれば、2024年の世界EV販売台数は前年比でわずか5%増の約1000万台にとどまる見通しで、これまでの急成長から一転して鈍化している。
中国メーカーがシェアを拡大
しかし、この減速の中で存在感を強めているのが中国メーカーだ。比亜迪(BYD)を筆頭に、2024年の世界EV市場における中国ブランドのシェアは40%を超えるとみられる。一方、日本メーカーのシェアは10%を下回り、特にトヨタ自動車はEV戦略の遅れが指摘されている。
中国メーカーの強みは、低価格帯から高級車まで幅広いラインアップと、政府の強力な支援だ。また、バッテリー技術の進化や生産コストの削減も競争力を高めている。特にBYDは、2023年に世界販売でテスラを抜いて首位に立ち、その後も勢いを維持している。
日本勢の苦戦要因
日本メーカーは、ハイブリッド車(HV)に注力してきたことがEV市場での出遅れにつながった。トヨタは「全方位戦略」を掲げ、HVや水素燃料電池車も並行して開発しているが、EVへのシフトが遅れたとの批判は免れない。日産自動車はリーフで先行したものの、その後新型EVの投入が遅れ、シェアを落としている。
また、中国市場では日本メーカーの販売が低迷している。2024年1月から7月までの中国市場での日本車の販売台数は前年同期比で20%以上減少した。これは、中国の地元メーカーがEVやプラグインハイブリッド車(PHEV)で攻勢をかける中、日本メーカーの商品力が劣っているためだ。
今後の展望
こうした状況を打開するため、日本メーカーもEV投資を加速している。トヨタは2026年までに10車種のEVを投入する計画を発表し、日産も2028年までにEVのコストを現在の半分に削減する目標を掲げる。しかし、中国メーカーの勢いは当面続くとみられ、日本勢の巻き返しは容易ではない。
自動車業界アナリストは「日本メーカーが生き残るためには、EVだけでなく、ソフトウェアやサービスを含めた総合的な競争力が必要だ」と指摘する。中国メーカーとの差は、単なる製品開発だけでなく、ビジネスモデル全体の変革が求められている。



