世界EV市場で中国勢が存在感を増す
世界の電気自動車(EV)市場で、需要の減速が報じられる一方、中国メーカーが攻勢を強めている。2024年の世界のEV販売台数は前年比25%増の約1400万台に達すると見込まれているが、中国メーカーのシェアは6割を超え、日本メーカーを含む従来の自動車大手は苦戦を強いられている。
国際エネルギー機関(IEA)の報告によれば、2023年の世界のEV販売台数は約1100万台で、2024年はさらに増加する見通し。しかし、中国市場では既にEVが新車販売の3割を占めており、伸び率は鈍化しつつある。それでも中国メーカーは、政府の補助金や充電インフラ整備を背景に、低価格帯から高級車まで幅広いラインアップを展開し、国内外で販売を拡大している。
日本メーカーの苦戦と戦略の遅れ
日本メーカーはEVシフトで出遅れている。トヨタやホンダなどはハイブリッド車に強みを持つが、EV専用モデルの投入が遅れ、中国市場での販売は低迷。2023年の中国市場での日本車のシェアは12%まで低下し、EVに限ればさらに低い水準にとどまる。業界関係者は「日本メーカーはEVの技術開発と価格競争で中国勢に後れを取っている」と指摘する。
一方、中国の比亜迪(BYD)は2023年に世界で約300万台のEVを販売し、テスラを抜いて世界最大のEVメーカーとなった。BYDは低価格モデル「シー」シリーズや高級ブランド「仰望」を投入し、価格帯を広げている。さらに、欧州や東南アジア市場への輸出も積極化しており、日本メーカーの地盤を脅かしつつある。
需要減速の要因と今後の見通し
EV需要の減速要因としては、充電インフラの不足やバッテリー価格の高止まり、一部の国での補助金縮小が挙げられる。特に欧州では、2024年にドイツがEV購入補助金を打ち切ったことで、需要が一時的に冷え込んだ。しかし、中国メーカーは低価格戦略で需要を喚起しており、長期的にはEV市場は拡大を続けると予測される。
日本メーカーは、2025年以降にEV専用プラットフォームを投入する計画を発表しているが、それまでの間、中国勢との差はさらに広がる可能性がある。また、米国や欧州でも中国製EVへの関税引き上げの動きがあるが、中国メーカーは現地生産を進めるなど、対応を急いでいる。
専門家は「日本メーカーが生き残るためには、EVだけでなく、ソフトウェアやバッテリー技術での差別化が必要」と指摘する。今後の市場動向は、各国の政策や技術革新に左右されるが、中国メーカーの勢いは当面続きそうだ。



