EV販売低迷で欧州自動車大手が業績下方修正、中国市場の減速が影響
EV販売低迷で欧州自動車大手が業績下方修正

欧州の自動車大手が電気自動車(EV)の販売低迷により、相次いで業績予想を下方修正している。中国市場での需要減退や各国政府による補助金削減が主な要因であり、業界全体に警鐘を鳴らす結果となった。

フォルクスワーゲン、利益率目標を引き下げ

フォルクスワーゲン(VW)は、2024年の営業利益率目標を従来の7.5%から6.5%に引き下げた。同社は第3四半期の売上高が前年同期比で約5%減少し、特に中国市場での販売が低迷していることを明らかにした。VWのオリバー・ブルーメCEOは「市場環境は予想以上に厳しく、特にEVセグメントでの競争激化が収益を圧迫している」と述べている。

メルセデス・ベンツ、利益見通しを下方修正

高級車メーカーのメルセデス・ベンツも、2024年の調整後営業利益率を従来の10~12%から9~11%に引き下げた。同社は中国市場での高級EVの需要減退に加え、価格競争の激化が響いたと説明。さらに、欧州でのEV補助金削減が販売に悪影響を及ぼしている。メルセデス・ベンツの財務責任者は「コスト削減策を強化するが、短期的な市場回復は期待できない」とコメントした。

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ステランティス、北米市場でも苦戦

フィアット・クライスラーとプジョー・シトロエンの合併で誕生したステランティスは、2024年の調整後営業利益率を従来の10%から8%に下方修正。同社は北米市場での在庫過剰と価格競争に直面しており、特にEVの販売が計画を下回っている。ステランティスのカルロス・タバレスCEOは「業界全体が構造的な転換期にあり、我々も例外ではない」と述べ、コスト削減と製品ポートフォリオの見直しを加速させる方針を示した。

中国市場の減速が欧州勢に打撃

欧州自動車大手にとって、中国市場はかつて最大の収益源だったが、現在は地元メーカーであるBYDやNIOなどの台頭によりシェアを奪われている。中国のEV販売は依然として増加しているが、価格競争が激化し、利益率が圧迫されている。また、中国政府がEV補助金を段階的に廃止していることも需要減退に拍車をかけている。業界アナリストは「欧州メーカーが中国市場で競争力を維持するには、より低価格のEVを投入するか、現地生産を拡大する必要がある」と指摘する。

欧州での補助金削減も逆風

欧州各国でもEV購入補助金の削減や廃止が相次いでおり、ドイツでは2023年末に補助金が打ち切られた。これにより、ドイツ国内のEV新車登録台数は2024年前半に前年同期比で約20%減少した。フランスでも補助金の対象車種を絞り込むなど、支援策が縮小傾向にある。欧州自動車工業会(ACEA)は「補助金削減がEV需要に与える影響は大きく、業界の電動化目標の達成が危ぶまれる」と警告している。

業界全体の見通しと今後の課題

欧州自動車大手の業績下方修正は、EV市場の成長鈍化が一時的なものではなく、構造的な問題であることを示唆している。各社はコスト削減や新モデルの投入で巻き返しを図るが、中国市場での競争激化や補助金削減が短期的な逆風となる。一方で、欧州連合(EU)は2035年までにガソリン車の新車販売を禁止する方針を堅持しており、長期的にはEVへの移行が不可避である。業界関係者は「現在の低迷期を乗り越え、競争力のあるEVを提供できるかが鍵となる」と分析している。

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