2024年の世界電気自動車(EV)販売台数において、中国メーカーが初めて過半数を占めたことが明らかになった。市場調査会社のデータによると、中国ブランドのEV販売台数は前年比35%増の約680万台に達し、世界シェアの51%を獲得。一方、日本メーカーのシェアは5%未満に低下し、存在感が急速に薄れている。
中国勢の躍進とテスラの苦境
中国メーカーの中でも、比亜迪(BYD)が約200万台を販売し、単独で世界トップに立った。BYDは低価格帯から高級車まで幅広いラインアップを揃え、特に東南アジアや欧州市場で販売を伸ばした。一方、米テスラは約180万台で2位にとどまり、シェアを前年から2ポイント減の13%に落とした。テスラは値下げ競争に巻き込まれ、利益率が悪化している。
「中国メーカーは政府の補助金と規模の経済を活用し、競争力のある価格を実現している」と、業界アナリストの田中氏は指摘する。実際、中国のEVは平均価格が3万ドル未満と、テスラの約4万5千ドルを大きく下回る。
日本メーカーの苦戦要因
日本メーカーでは、日産がリーフの後継モデルを投入したが、販売台数は前年比10%減の約8万台。トヨタはbZ4Xの販売が伸び悩み、世界販売は約2万5千台にとどまった。ホンダも中国市場でEVシフトに乗り遅れ、現地合弁会社の販売が低迷している。
日本メーカーの課題は、EV専用プラットフォームの開発遅れと、ハイブリッド車(HV)への過度な依存にある。トヨタはHVで利益を上げているが、EV投資が遅れた結果、中国や欧州での競争力が低下した。さらに、バッテリー調達でも中国企業に依存しており、サプライチェーンの脆弱さが露呈している。
今後の展望と再編の動き
世界のEV市場は2030年までに年率20%以上の成長が見込まれ、中国メーカーの支配力はさらに強まると予想される。こうした中、日本メーカーは他社との提携や合弁を模索している。日産とホンダはEV向けソフトウェア開発で協業を検討しており、トヨタは中国のCATLとのバッテリー調達契約を拡大した。
「日本メーカーが生き残るには、スピード感を持ったEV投資と、中国市場での存在感回復が不可欠だ」と、自動車業界コンサルタントの佐藤氏は語る。しかし、中国メーカーとの価格差は大きく、日本勢の巻き返しは容易ではない。
一方、欧州メーカーも中国の攻勢に苦しんでいる。フォルクスワーゲンはEV販売で中国メーカーに迫られているが、IDシリーズの販売は伸び悩み、利益率が低下。スタランティスは中国の零跑汽車との提携を強化し、低コストEVを投入する計画だ。
まとめ
2024年の世界EV販売は中国メーカーが過半数を占める歴史的な年となった。日本メーカーは競争力を失い、再編が加速している。今後の市場動向と各社の戦略が注目される。



