中国の電気自動車(EV)市場で、日本メーカーの存在感が急速に低下している。一方、中国の新興メーカーであるBYD(比亜迪)が販売台数でトップ3に食い込み、業界再編が加速している。
日本メーカーのシェア低下
日本メーカーはこれまで中国市場でガソリン車を中心に高いシェアを誇ってきたが、EVシフトで出遅れた。2023年の中国EV市場における日本メーカーのシェアはわずか1%未満で、前年の3%から大幅に低下した。特に日産自動車やホンダはEVのラインアップが限られ、販売が低迷している。
調査会社のデータによると、2024年1月から6月までの中国EV販売台数は約550万台で、前年同期比30%増加した。このうちBYDは約150万台を販売し、トップを走る。2位は米テスラで約90万台、3位は中国の上海汽車(SAIC)で約70万台となっている。
BYDの躍進と競争激化
BYDは2023年に世界で約300万台のEVを販売し、テスラを抜いて世界最大のEVメーカーとなった。中国国内では低価格モデル「海豚(ドルフィン)」や「海豹(シール)」が人気で、2024年も販売を伸ばしている。BYDの広報担当者は「技術革新とコスト削減により、より多くの消費者にEVを提供できる」と語った。
一方、中国のEV市場全体では2024年に約1100万台が販売される見込みで、前年比35%増となる。ただ、競争激化で中小メーカーの淘汰が進んでおり、2023年には約20社あった新興EVメーカーのうち、半数以上が経営難に陥っている。
日本メーカーの巻き返し策
日本メーカーは巻き返しを図る。トヨタ自動車は2026年までに中国市場で10車種のEVを投入する計画で、日産は2025年までに新型EVを5車種投入すると発表した。ホンダも中国のEVブランド「e:N」シリーズを強化し、2027年までに10車種を投入する方針だ。
アナリストは「日本メーカーが中国市場で再び存在感を示すには、価格競争力と現地ニーズに合ったEVの開発が不可欠」と指摘する。特にBYDが強みとするバッテリー技術やソフトウェア面での差別化が課題となる。
中国のEV市場は政策支援も追い風だ。中国政府はEV購入補助金を2025年まで延長し、充電インフラの整備を加速している。2024年末までに全国で公共充電器を500万台設置する目標を掲げており、これがEV普及を後押ししている。
今後の展望
日本メーカーが中国EV市場で巻き返せるかは不透明だ。BYDやテスラに加え、中国の新興メーカーである蔚来汽車(NIO)や小鵬汽車(XPeng)も技術力で存在感を増している。日本メーカーはガソリン車で培ったブランド力や品質を生かしつつ、EV時代に適応した戦略が求められる。



