中国の電気自動車(EV)メーカーが欧州市場で厳しい状況に直面している。欧州連合(EU)が中国製EVに対する関税を最大45%に引き上げたことで、価格競争力が低下し、販売台数が減少している。特に、比亜迪(BYD)や上海汽車集団(SAIC Motor)などの大手メーカーが影響を受けている。
関税引き上げの背景
EUは2023年10月、中国製EVに対する相殺関税の調査を開始し、2024年7月に暫定的な関税を課した。これにより、中国製EVの関税は従来の10%から最大45%に引き上げられた。EUは中国のEV産業に対する補助金が不当な競争優位をもたらしていると主張している。
中国メーカーはこれに対抗するため、欧州内での生産拠点の設立を進めている。BYDはハンガリーに工場を建設中で、2025年から生産を開始する予定だ。また、奇瑞汽車(Chery)はスペインでの生産を計画している。
販売台数の減少
関税引き上げの影響は早速現れている。2024年8月の中国製EVの欧州での販売台数は前年同月比で18%減少した。特に、BYDの販売台数は23%減少し、SAIC MotorのMGブランドも15%減少した。
一方で、欧州の自動車メーカーはこの機会を利用して、中国市場でのシェア拡大を図っている。フォルクスワーゲン(VW)は中国でのEV販売を強化し、2024年上半期の販売台数は前年同期比で12%増加した。
今後の見通し
専門家は、中国EVメーカーの欧州市場での苦戦が続くと予測している。関税が長期的に続く場合、中国メーカーは欧州での生産拡大を余儀なくされる。また、欧州の消費者にとっては、選択肢が減り、価格が上昇する可能性がある。
「中国EVメーカーは欧州での競争力を維持するために、生産の現地化を急ぐ必要がある」と、自動車業界アナリストの田中一郎氏は指摘する。



