EVシフト加速、中国メーカーが日本市場に本格参入
EVシフト加速、中国メーカーが日本市場に本格参入

中国EVメーカーの日本進出が本格化

中国の電気自動車(EV)メーカーが日本市場への本格参入を加速させている。最大手のBYD(比亜迪)は2023年1月に日本で乗用車の販売を開始し、2025年までに全国で100店舗の展開を目指している。同社はすでに東京都内にショールームをオープンし、SUV「ATTO 3」やコンパクトカー「ドルフィン」などを販売している。

2022年7月には、BYDの日本法人が東京・六本木に旗艦店を開設。2023年末までに全国で22店舗を運営しており、2025年には100店舗に拡大する計画だ。BYDはバスなどの商用車ではすでに日本市場に参入しており、累計販売台数は約200台に達している。

日本政府のEV普及目標と補助金制度

日本政府は2035年までに新車販売を全て電動車(EV、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)にする目標を掲げている。2022年度補正予算では、EV購入に対する補助金を最大85万円に増額した。これにより、BYDのATTO 3(価格440万円)は補助金適用後、約355万円で購入可能となる。

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また、経済産業省は充電インフラ整備にも力を入れており、2025年までに急速充電器を3万基設置する目標を設定。2022年度補正予算では、充電器設置に対する補助金を100億円規模で計上した。

日本メーカーのEV戦略と課題

トヨタ自動車は2022年にEV専用モデル「bZ4X」を発売したが、販売は低調だ。2023年上半期の国内販売台数は約1000台にとどまった。一方、日産自動車は「リーフ」や「アリア」を販売するが、2023年上半期のEV販売台数は約5000台と、中国メーカーの攻勢に押され気味だ。

日本自動車工業会のデータによると、2023年上半期の日本国内のEV販売台数は約3万5000台で、新車販売全体の約1.5%を占めるにすぎない。これは欧州(約20%)や中国(約25%)と比べて大幅に低い水準だ。

中国メーカーの競争力と日本市場の課題

中国EVメーカーはコスト競争力と技術力で優位に立つ。BYDは独自のバッテリー技術「ブレードバッテリー」を搭載し、安全性と航続距離を両立。また、中国政府の補助金を背景に、低価格戦略を展開している。

しかし、日本市場には特有の課題もある。日本ではEV充電インフラが十分に整備されておらず、2022年末時点で急速充電器は約2万基と、欧州(約30万基)や中国(約100万基)に大きく劣る。また、日本メーカーはハイブリッド車(HV)で強みを持つが、EVシフトの遅れが指摘されている。

今後の展望と業界の反応

業界関係者は「日本市場は中国EVメーカーにとって重要なテストケース」と指摘する。日本は品質やアフターサービスに厳しい基準があり、これらをクリアできれば、他の先進国市場への展開も容易になる。

一方、日本メーカーもEV投資を加速している。トヨタは2026年までにEV用バッテリーに約2兆円を投資する計画を発表。ホンダは2024年に新型EVを投入予定だ。日本政府も2030年までにEV充電器を15万基設置する目標を掲げており、インフラ整備を後押しする。

中国メーカーの日本参入は、日本市場の競争を激化させると同時に、EV普及の加速につながる可能性がある。日本自動車工業会の試算では、2030年には国内EV販売台数が新車全体の20〜30%に達する見通しだ。

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