中国EVメーカー、欧州関税で生産移管加速
中国EVメーカー、欧州関税で生産移管加速 (18.07.2026)

欧州連合(EU)が中国製電気自動車(EV)に課す追加関税が7月5日に暫定的に発効した。これを受け、中国のEVメーカーは欧州域内での生産拠点設立や生産移管を加速させている。最大手のBYD(比亜迪)はハンガリーに建設中の工場で関税回避を目指す一方、吉利汽車や奇瑞汽車なども欧州生産の検討を本格化させている。

EUの追加関税、中国EVに最大37.6%

EUは中国製EVに対する追加関税を、既存の10%に上乗せして最大37.6%とする暫定措置を発動した。対象はBYD(17.4%追加)、吉利汽車(19.9%追加)、上海汽車(37.6%追加)など。これに対し、中国商務省は「不当な保護主義措置だ」と反発し、欧州産ブランデーに対する相殺関税の検討を示唆している。

BYD、ハンガリー工場で2025年稼働へ

BYDはハンガリー南部のセゲドに建設中のEV工場について、2025年末までの稼働開始を計画。同工場は年間20万台の生産能力を持ち、欧州市場向けのEVを現地生産することで追加関税を回避する狙いだ。BYDの広報担当者は「欧州での現地生産は長期的な戦略の一環であり、関税措置が加速要因になった」と述べている。

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吉利、欧州生産拠点の選定急ぐ

吉利汽車も欧州での生産拠点設立を急いでいる。同社は傘下のボルボやポールスターの生産ネットワークを活用する可能性があるが、新たな工場建設も検討中だ。吉利の関係者は「EU市場は重要であり、関税障壁を乗り越えるためには現地生産が不可欠だ」と話す。

奇瑞や長城汽車も追随

奇瑞汽車はスペインでの生産を検討しており、同国政府との協議を進めている。長城汽車もドイツやハンガリーでの工場建設を視野に入れている。中国EVメーカーの欧州進出は、関税回避だけでなく、ブランド認知度向上や販売網拡大の意味合いも強い。

欧州自動車業界の反応

欧州の自動車メーカーは追加関税を歓迎する一方、中国の報復関税を懸念する。フォルクスワーゲンは「自由貿易の原則に反する」と慎重な姿勢を示し、BMWは「関税引き上げは逆効果になる可能性がある」と警告している。欧州自動車工業会(ACEA)は「EUの競争力強化には、関税ではなく投資促進策が必要だ」と主張している。

今後の見通し

EUと中国の間では、関税を巡る協議が継続中だ。中国はEU産ブランデーや豚肉に対する相殺関税の検討を表明しており、貿易摩擦の激化が懸念される。一方、中国EVメーカーの欧州生産移管は、中長期的には欧州の雇用創出やサプライチェーンの多様化につながる可能性もある。専門家は「関税が中国メーカーの現地化を加速させ、結果的に欧州のEV産業の競争を促進するだろう」と分析している。

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