中国EVメーカー、欧州関税で現地生産加速へ
中国EVメーカー、欧州関税で現地生産加速

中国の電気自動車(EV)メーカーが、欧州連合(EU)による関税引き上げへの対応として、欧州での現地生産を加速させている。これにより、中国メーカーは欧州市場での競争力を維持し、関税の影響を軽減する狙いがある。

BYD、ハンガリー工場で生産開始へ

中国最大手のEVメーカーであるBYDは、ハンガリーに建設中の工場を2025年末までに稼働させる計画だ。同工場では年間20万台のEVを生産する見込みで、欧州市場向けの供給を現地で賄う。BYDの広報担当者は「現地生産により、顧客への納期短縮とコスト削減が期待できる」と述べている。

他の中国メーカーも追随

BYDだけでなく、上海汽車集団(SAIC)や吉利汽車(Geely)も欧州での生産拠点を検討している。SAICはスペインや東欧での工場設立を模索しており、吉利はボルボの既存工場を活用する可能性がある。中国EVメーカーは、欧州での販売台数を2023年の約30万台から2027年には100万台以上に増やす目標を掲げている。

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EUの関税引き上げが背景

EUは2024年10月、中国製EVに対する関税を最大45%に引き上げる方針を発表した。これは、中国政府による補助金が不当な競争優位をもたらしているとの判断に基づく。EUの発表によると、関税はBYDに17%、SAICに35.3%の追加関税が課される見込みだ。これに対し、中国商務省は「保護主義的な措置だ」と反発している。

現地生産のメリットと課題

現地生産により、中国メーカーは関税を回避できるだけでなく、物流コストの削減やブランドイメージの向上が期待できる。しかし、欧州での生産コストは中国より高く、熟練労働者の確保やサプライチェーンの構築が課題となる。また、欧州の環境規制や労働法への対応も必要だ。

業界への影響

中国メーカーの現地生産拡大は、欧州の自動車業界に新たな競争をもたらす。フォルクスワーゲンやステランティスなどの欧州大手は、中国メーカーとの価格競争にさらされる可能性がある。一方、欧州の部品メーカーやバッテリーサプライヤーには新たなビジネスチャンスが生まれる。調査会社IHS Markitは、中国メーカーの欧州生産シェアが2030年までに15%に達すると予測している。

今後の展望

中国EVメーカーの欧州進出は、関税引き上げによって一時的に鈍化する可能性があるが、長期的には現地生産により成長を続けるとみられる。BYDのハンガリー工場に続き、他のメーカーも生産拠点を拡大することで、欧州市場での存在感がさらに高まるだろう。EUと中国の貿易摩擦が今後の展開に影響を与えるが、現地生産の動きは不可逆的な流れとなりつつある。

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