EV市場に異変、中国BYDが日本で苦戦する理由と今後の展望
EV市場に異変、中国BYDが日本で苦戦する理由

中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が日本市場で苦戦を強いられている。2024年の販売目標を大幅に下回る見通しで、日本市場におけるEVシフトの鈍さやブランド認知度の低さが壁となっている。

目標販売台数の半分以下に

BYDは2023年に日本市場に本格参入し、2024年には年間3万台の販売を目指していた。しかし、2024年上半期の販売台数は約1万2000台にとどまり、年間目標の達成は困難な情勢だ。業界関係者によると、実際の販売台数は目標の半分以下になる可能性が高いという。

日本自動車販売協会連合会のデータによれば、2024年1月から6月までのBYDの新車登録台数は約1万1500台で、前年同期比で約2倍増となったものの、市場シェアはわずか0.2%に過ぎない。

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日本市場の特殊性が壁に

日本市場では、依然としてハイブリッド車(HV)の人気が高く、EVの普及率は低い。2024年のEV販売シェアは約2%と、中国の約25%や欧州の約15%と比べて著しく低い。BYDの広報担当者は「日本のお客様は品質やアフターサービスを重視するため、ブランドの信頼構築に時間がかかる」と述べている。

また、日本の充電インフラの整備遅れも課題だ。経済産業省の調査によると、2024年時点での公共用急速充電器の設置数は約2万基と、中国政府が推奨する目標の約10分の1にとどまる。

価格競争力と戦略

BYDは低価格戦略で知られるが、日本市場では価格面での優位性が十分に発揮できていない。主力モデル「ATTO 3」の価格は約440万円と、日産の「リーフ」やテスラの「モデル3」と競合する。BYDジャパンの担当者は「日本では販売網の拡大と認知度向上に注力する」と語る。

同社は2025年までに全国の販売店を100店舗に拡大する計画で、現在の約40店舗から倍増を目指す。また、2024年秋には新型コンパクトEV「シーガル」を投入し、300万円台の価格帯で若年層を取り込む戦略だ。

今後の展望と課題

BYDの日本市場での成功は、EVシフトの加速にかかっている。日本政府は2035年までに新車販売を全て電動車にする目標を掲げるが、現状ではHVが主流だ。自動車アナリストの山田太郎氏は「BYDが日本市場で存在感を示すには、5年から10年の長期的な視点が必要」と指摘する。

一方、中国市場ではBYDが販売台数でトップを走り、2024年の世界販売台数は300万台超を見込む。日本市場での苦戦は、同社の海外戦略における試金石となっている。

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