中国の電気自動車(EV)大手比亜迪(BYD)は、日本市場で新型EVセダン「シール」の販売を開始すると発表した。価格は528万円(税込み)からで、航続距離は640km(中国基準)を実現。同社は既に日本で小型EV「ドルフィン」やコンパクトSUV「ATTO 3」を販売しており、今回の「シール」投入でラインアップを拡充する。
テスラ「モデル3」と直接競合
「シール」は、全長4,800mm、全幅1,875mm、全高1,460mmのミッドサイズセダンで、テスラ「モデル3」とほぼ同じサイズ。価格帯も528万円~658万円と、モデル3の約530万円~650万円と競合する。BYDは「シール」を日本市場でテスラのライバルとして位置づけており、同社の日本法人は「日本のEV市場で存在感を高めたい」とコメントしている。
BYDの日本戦略
BYDは2022年7月に日本法人を設立し、2023年1月に「ATTO 3」の販売を開始。同年9月には「ドルフィン」を投入した。日本での販売台数は2023年に約2,000台と、まだ限定的だが、2025年までに100店舗の展開を計画している。今回の「シール」投入により、セダン需要を取り込み、販売拡大を狙う。
充電インフラとサービス
BYDは日本での充電インフラ整備にも注力。全国の販売店に急速充電器を設置するほか、外部の充電ネットワークとの提携を進めている。また、車両の保証は8年または16万km、バッテリーは8年または20万kmと、競合他社と同等の内容を提供する。
日本市場の課題
日本のEV市場は2023年の新車販売に占めるEV比率が約2%と、欧州や中国に比べて低い。BYDは「日本市場はまだ成長余地が大きく、高品質なEVを提供することで普及を促進したい」としている。ただ、日本ではトヨタや日産などの国内メーカーが強く、海外ブランドのEVは苦戦している。BYDの日本での成功は、今後の戦略次第と言える。
今後の展望
BYDは2024年内に日本で3車種の販売を計画しており、その後も新型車を投入する予定。同社は「シール」を含む全車種で、日本市場向けの仕様調整を行い、ユーザーのニーズに応えるとしている。日本のEV市場でBYDがどこまでシェアを拡大できるか、注目が集まる。



