中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)が2024年の世界販売台数で米フォード・モーターを抜き、6位に浮上したことが明らかになった。自動車業界の勢力図がEVシフトによって大きく塗り替えられつつある。
BYDの躍進と日本勢の現状
調査会社マークラインズのデータによると、BYDの2024年の世界販売台数は前年比約40%増の約425万台に達し、フォードの約390万台を上回った。トヨタ自動車は約1080万台で首位を維持したが、EV販売比率は約1%と低迷。ホンダは約410万台で8位、日産自動車は約340万台で9位と、日本勢は総じてEVシフトで後れを取っている。
「BYDの急成長は、中国市場でのEV普及と、コスト競争力のあるモデル展開が要因だ」と、アナリストは指摘する。BYDは2023年に中国国内でEV販売首位に立ち、2024年には東南アジアや欧州でもシェアを拡大。特にタイではEV市場の約3割を占めるまでに成長した。
世界市場の変化
2024年の世界自動車販売全体は約9000万台と、前年比約2%増。一方、EV販売は約1700万台と約25%増加し、市場全体の約19%を占めた。BYDはEVだけでなく、プラグインハイブリッド車(PHEV)も含めた新エネルギー車(NEV)で約400万台を販売。テスラは約180万台で2位、フォルクスワーゲン(VW)グループは約920万台で2位を維持したが、EV比率は約8%にとどまった。
「BYDの躍進は、中国メーカーの台頭を象徴している」と、業界関係者は語る。実際、中国メーカー全体の世界販売シェアは2020年の約20%から2024年には約35%に拡大。一方、日本メーカーのシェアは約25%から約20%に低下した。
日本勢の課題と今後の展望
トヨタはハイブリッド車(HV)で強みを持つが、EV市場での存在感は薄い。2024年に発売した新型EV「bZ4X」の販売は低調で、2025年にはEV生産台数を30万台に引き上げる計画だが、BYDの勢いには及ばない。ホンダも2024年にEV専用ブランド「e:N」を立ち上げたが、販売は伸び悩んでいる。
「日本勢は、EVのラインナップ拡充とコスト削減が急務だ」と、自動車アナリストは指摘する。また、中国市場での日本車の販売が低迷していることも、日本勢にとっては逆風となっている。2024年の中国市場での日本車シェアは約15%と、2020年の約25%から大幅に低下した。
一方、BYDは2025年に欧州での生産拠点を立ち上げ、さらに販売を拡大する計画。また、高級EVブランド「仰望(Yangwang)」も投入し、テスラやドイツ高級車メーカーとの競争を強化する。世界の自動車業界は、中国メーカーを中心としたEVシフトが加速し、従来の勢力図が大きく変わりつつある。



