中国製EVの欧州進出、関税でも止まらない勢い
中国製EVの欧州進出、関税でも止まらない勢い

中国製電気自動車(EV)の欧州への輸出が急増している。EU(欧州連合)は中国製EVに対して追加関税を検討しているが、中国メーカーの価格競争力と技術革新のスピードは、関税障壁をもってしても阻みきれない勢いだ。2023年には中国から欧州へのEV輸出台数が前年比で倍増し、約30万台に達した。この背景には、中国国内市場の飽和と、欧州での環境規制強化によるEV需要の高まりがある。

中国メーカーの価格優位性

中国製EVの最大の武器は、その低価格である。例えば、BYD(比亜迪)のコンパクトEV「ドルフィン」は、欧州で約3万ユーロ(約480万円)から販売されており、同クラスの欧州製EVより1万ユーロ以上安い。この価格差は、中国国内での大規模生産と、バッテリーなど主要部品の内製化によって実現されている。さらに、中国政府のEV普及政策による補助金も、価格競争力を支えている。

EUの対応と課題

EUは2023年9月に中国製EVに対する反補助金調査を開始し、最大25%の追加関税を課す可能性がある。しかし、関税を課しても中国製EVの価格優位性は揺るがないとの見方が強い。欧州委員会の試算では、仮に25%の関税を課しても、中国製EVの価格は欧州製EVより依然として15%程度安いという。また、中国メーカーは欧州内での現地生産を計画しており、関税回避の動きも進んでいる。BYDはハンガリーに工場を建設中で、2025年から生産開始を予定している。

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欧州自動車産業への影響

中国製EVの流入は、欧州自動車メーカーに深刻な脅威を与えている。フォルクスワーゲンやステランティスなどは、EVシフトに多額の投資を行っているが、中国勢の安価なEVに対抗するのは容易ではない。特に、大衆車市場で競争力を持つ中国メーカーに対し、欧州メーカーはコスト削減と技術革新を迫られている。また、中国製EVの台頭は、欧州の雇用やサプライチェーンにも影響を及ぼす可能性がある。

消費者の視点

一方、欧州の消費者にとっては、中国製EVの選択肢が増えることは歓迎すべきことだ。環境意識の高まりからEV購入を検討する消費者にとって、より安価な中国製EVは魅力的な選択肢となる。実際、2023年のドイツでのEV販売台数では、BYDが前年比で3倍以上の伸びを示している。

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