電気自動車(EV)の普及に伴い、車載電池の市場では中国勢の存在感が急速に高まっている。2023年の世界のEV用電池市場で、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と比亜迪(BYD)の2社で約50%のシェアを占め、中国メーカー全体では6割を超えた。一方、日本のパナソニックホールディングスは10%を下回り、日本勢の存在感は年々薄れている。
中国勢が圧倒的なコスト競争力
中国メーカーが強い理由は、圧倒的なコスト競争力にある。CATLの電池は、韓国や日本メーカーに比べて製造コストが2~3割安いとされる。これは、中国国内での原材料調達の容易さや、政府の補助金による生産設備への投資が背景にある。また、EVの販売台数でも中国が世界最大であり、地元需要に支えられて生産規模を拡大できた点も大きい。
韓国勢が追うも、差は縮まらず
韓国のLGエナジーソリューションやSKオンもシェアを伸ばしているが、中国勢との差は縮まっていない。LGは2023年に約14%のシェアで世界2位だが、CATLの約37%には遠く及ばない。韓国勢は北米市場での存在感を強めているが、中国市場では苦戦を強いられている。
日本勢の巻き返しは容易ではない
日本勢では、パナソニックがテスラ向けに供給しているが、シェアは約8%と低下傾向にある。パナソニックは次世代電池の開発に注力しているが、量産化には時間がかかる。また、日産自動車と共同で電池事業を手がけるエンビジョンAESCもシェアを伸ばしているが、中国勢には及ばない。専門家は「日本勢が巻き返すには、技術面での差別化と、生産規模の拡大が不可欠」と指摘する。
今後の市場動向
世界のEV用電池市場は、2025年には現在の2倍以上の規模に成長すると予測されている。中国勢はさらにシェアを拡大する可能性が高く、日本勢は厳しい戦いを強いられそうだ。ただし、欧米では中国製電池への依存を減らす動きもあり、日本勢にはチャンスもある。しかし、コスト競争力で劣る日本勢が、技術力だけで勝負できるかどうかは不透明だ。



