EVシフトの陰で急拡大する中国ハイブリッド車市場の実態
EVシフト陰で急拡大する中国ハイブリッド車市場

中国HEV市場が急拡大、EV販売鈍化が追い風に

中国の自動車市場で、ハイブリッド車(HEV)の販売が急激に伸びている。2024年のHEV販売台数は前年比約50%増の約110万台に達する見通しだ。これまで中国市場ではEV(電気自動車)へのシフトが急速に進んできたが、近年EV販売の伸びが鈍化。代わりにHEVが注目を集めている。

背景には、中国政府の補助金縮小や消費者の航続距離への不安がある。EVの販売台数は依然として増加しているものの、成長率は2023年の約80%から2024年は約30%に減速すると見られる。一方、HEVはガソリン車とEVの中間的な位置づけで、充電インフラの整備が進んでいない地域でも使いやすいことが強みだ。

日本メーカーが強みを発揮、中国国内メーカーも参入

HEV市場では、トヨタ自動車やホンダなどの日本メーカーが長年培ってきた技術で優位に立つ。トヨタの「カローラ・ハイブリッド」やホンダの「シビック・ハイブリッド」が人気モデルだ。2024年上半期のHEV販売シェアでは、トヨタが約40%、ホンダが約25%を占める。

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しかし、中国の現地メーカーもHEV市場に参入し始めている。比亜迪(BYD)は独自のプラグインハイブリッド(PHEV)技術で攻勢をかけ、2024年にはPHEVを含むハイブリッド車の販売台数が前年比70%増となる見通しだ。BYDの「秦Plus DM-i」は低価格と低燃費で人気を集めている。

市場拡大の要因と今後の展望

HEV市場拡大の要因として、まず中国政府の補助金政策の変更が挙げられる。2023年以降、EV購入補助金が段階的に廃止され、代わりにHEVにも補助金が支給されるようになった。また、ガソリン価格の高止まりもHEV需要を後押ししている。

さらに、中国の充電インフラの整備状況も影響している。中国政府はEV充電スタンドの設置を進めているが、2024年時点でEV1台あたりの充電スタンド数は約0.2基と、まだ十分とは言えない。このため、充電を気にせず使えるHEVが選ばれている。

業界アナリストは「中国のHEV市場は2025年までに年率30%以上の成長を続ける」と予測する。一方で、長期的にはEVシフトの流れが再び強まる可能性もあり、日本メーカーはEVとHEVの両軸で戦略を強化する必要がある。

日本メーカーの戦略と課題

トヨタは中国市場向けに新型HEVの投入を計画しており、2025年までに5モデルを追加する方針だ。また、ホンダは中国の現地パートナーと協力し、HEVの部品現地調達率を高めてコスト競争力を強化する。

しかし、日本メーカーはEV分野で中国メーカーに大きく遅れを取っている。BYDや上海汽車(SAIC)などの中国メーカーは、EVだけでなくPHEVでも競争力を持つ。日本メーカーが中国市場で生き残るためには、HEVでの優位性を維持しつつ、EV開発を加速する必要がある。

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