タイのEV市場、中国ブランドが席巻
タイの電気自動車(EV)市場で、中国メーカーが圧倒的な存在感を示している。2024年上半期の新車販売台数で、中国ブランドが全体の約80%を占めた。首位は中国のBYDで、シェアは約40%。続いて中国の合衆新能源汽車(Neta)や長城汽車(GWM)が上位に並ぶ。
日本車のシェアは1%未満
一方、長年タイ市場を席巻してきた日本車メーカーは、EV分野で大きく出遅れている。トヨタやホンダのEV販売台数は、全体の1%にも満たない。タイ自動車工業会のデータによると、2024年1~6月のEV販売台数は約3万5000台で、そのうち日本車はわずか200台程度だ。
タイ政府のEV政策が中国勢を後押し
背景には、タイ政府の積極的なEV推進政策がある。タイ政府は2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げ、購入補助金や輸入関税の引き下げなどでEV普及を促進。中国メーカーはこの政策を追い風に、タイ市場への進出を加速させた。BYDは2022年にタイ工場の建設を発表し、2024年から生産を開始。長城汽車も2021年からタイでEVを販売している。
日本車の巻き返しは可能か
日本車メーカーもEV投入を計画するが、出遅れ感は否めない。トヨタは2023年12月にタイでEV「bZ4X」を発売したが、販売は低迷。ホンダも2024年にEV「e:N1」を投入予定だが、価格競争で中国勢に劣る。タイの自動車市場は年間約80万台で、そのうち日系メーカーが約8割を占めるが、EVシフトでその牙城が崩れつつある。
現地生産とサプライチェーン構築が鍵
専門家は「日本車が巻き返すには、タイでの現地生産とサプライチェーンの構築が不可欠」と指摘する。中国メーカーは既にタイでバッテリー工場を建設し、部品調達も現地化を進めている。日本車も同様の投資が必要だが、コスト競争力で中国勢に劣るのが現状だ。
今後の展望
タイ政府はさらにEV普及を進めるため、充電インフラの整備やバッテリーリサイクル制度の構築を計画。中国メーカーはこうした政策に積極的に関与し、存在感を強めている。日本車がこの流れに乗り遅れれば、タイ市場だけでなく、東南アジア全体での競争力低下につながる恐れがある。



